「路線バスとタクシーの中間のサービス」AI活用したオンデマンドバス運行開始 時刻表も決まった路線もなし!=静岡・富士市

人工知能を活用して利用者の予約状況に合わせ、最適な運行ルートを走るAIオンデマンドバス「のるーとふじ」の運行が2月1日から、静岡県富士市で始まりました。

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<利用客>
Qおはようございます。何を待っていますか?
「『のるーとふじ』に乗るつもりで。予約しましたので」

バス停で男性が待っていたのは富士市の新しいバス「のるーとふじ」。バスは、8人乗りで予約時間に富士市伝法を出発。約10分後、目的地の富士市役所に到着しました。

<利用客>
Qいかがでしたか?
「他にお客さんがいなかったので、ほぼ一直線でここに来れて、時間の短縮にもなりました」

2月1日に出発式が行われた「のるーとふじ」は富士市の伝法地区で始まった最新の乗り合いバスです。

<東部総局 金原一隆記者>
「この『のるーとふじ』、通常の路線バスと違うのは時刻表がないこと、そして決まった路線もないということです」

伝法地区内に36か所の乗降場所が設けられ、スマホのアプリか電話で「どこから、どこまで何時頃に乗りたい」か予約リクエストします。すると、AIが予約状況に従って最も効率よく運べるルートを計算。予約した人に希望の乗降場所にバスが来る時間を伝えて利用してもらうのでフレキシブルな運行が可能です。

<富士市都市計画課 町田陽平主幹>
「これは携帯電話のGPSをもとにしたビッグデータ=人流データを分析して、伝法地区に潜在的な需要があると見込まれましたので、AIオンデマンドバスと相性がいい。利用者の予約に応じて運行するというもので、路線バスとタクシーの中間のサービスと言われているものです」

バスの運転手不足や燃料高騰などの課題を抱えているなかで、ITを駆使して効率よく利用者を運ぶことが公共交通網の維持には欠かせないのです。

<富士市都市計画課 町田陽平主幹>
「新しい交通手段が一つ増えるので、既存のバスやタクシーと組み合わせて多くの方に利用していただきまして、富士市がより元気な街になるのを願っています」

「のるーとふじ」1回の乗車料金が300円。若い世代に認知度を広げ利用者層の拡大を図りたい考えです。

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