日本代表、警戒せよ!イラン代表の「危険すぎる5名の選手たち」

1月31日に行われたアジアカップ2023のラウンド16の結果、準々決勝のカードは日本代表対イラン代表という対戦となった。

今回は、このアジアカップに臨んでいるイラン代表チームから「日本代表が止めなければならない5名の選手」をご紹介する。

サルダル・アズムン

現所属:ローマ

年齢:29歳

ポジション:ストライカー

エースであるマフディ・タレミがパレスチナ戦でレッドカードを受けたことにより、日本代表戦に出場することができなくなった。ゴールゲッターの役割を任されるサルダル・アズムンにかかる期待は自然と大きくなってくる。

以前のアジアカップで日本代表を相手に荒ぶったことから暴れん坊の印象がついてしまっているが、その一方で23歳のときには病気の母親の世話をするために代表引退を宣言したり、「ヒジャブ」といわれるイスラム教のスカーフを不適切に使用したために警察から暴行を受けて死亡したイラン人女性マフサ・アミニを擁護し、政府の方針に逆らって抗議を行ったこともある。

10代の頃にはサイドやトップ下のドリブラーだったため「イランのメッシ」と呼ばれたこともあるが、その後本職であるストライカーとして才能を開花させ、ズラタン・イブラヒモヴィッチやアリ・ダエイと比較される存在となった。

ちなみに父親はイラン代表のバレーボール選手で、サルダル自身も女子バレーボールクラブのオーナーである。さらに競馬のファンで50頭以上のサラブレッドを所有している。

イフサン・ハジ・サフィ

現所属:AEKアテネ

年齢:33歳

ポジション:左サイドバック、ボランチ、サイドハーフ

イラン代表で141試合に出場してきた絶対的キャプテンのハジ・サフィ。精度の高い左足のキックに加えてビルドアップもこなせるパスセンスを持ち、ボランチでも長くプレーしていた。さらに正確無比のロングスローまで備えた攻撃的なレフトバックだ。

イランリーグだけではなくヨーロッパでの挑戦に前向きな姿勢を示し、2015年にはドイツ2部のFSVフランクフルトへと移籍。その後もギリシャでパニオニオス、オリンピアコスに所属し、33歳になった現在もAEKアテネでプレーしている。

今回のアジアカップでも絶対的な左サイドバックとしてすべての試合に出場しており、欠かせない存在に。日本代表にとってのキーポイントの一つでもある堂安律+毎熊晟矢のサイドを生かすためには、このハジ・サフィを必ず攻略しなければならない。

アリレザ・ジャハンバフシュ

現所属:フェイエノールト

年齢:30歳

ポジション:右ウイング

数少ない「ヨーロッパの主要リーグで得点王になった経験を持つアジア人選手」。2013年から所属したNECナイメーヘンで欧州デビューを果たし、2014-15シーズンにはオランダ2部で12ゴールという目覚ましい結果を残した。

そしてステップアップしたのが現在菅原由勢が所属するAZアルクマール。そこでも「ゴールを奪えるウイング」として確固たる地位を築き、2017-18シーズンには21ゴールを決めてトップスコアラーのタイトルを獲得している。

その後移籍したブライトンではあまり活躍できずに終わったものの、現在は上田綺世が所属しているフェイエノールトでプレー。かつてのような鋭いドリブルは見られなくなったものの、熟練した攻撃センスでイラン代表の前線を引っ張っている。

マフディ・ガイヤーディ

現所属:イティハド・カルバ(UAE)

年齢:25歳

ポジション:左ウイング

ベテランが非常に多い今回のイラン代表。レギュラーメンバーのほとんどが長くチームを支えてきたプレーヤーばかりであり、新鮮味はあまりない。その中で唯一といっていいほどのブレイクスターがガイヤーディだ。といっても彼も25歳で16試合に出場している実績を持つが、他の選手がほとんど20代後半から30代なので比較的若手である。

2018年には友人の一人が死亡したほどの重大な自動車事故で脾臓を破裂する大ケガを負ったものの、複数回の手術と長いリハビリを経て復活。2020年に初めてイラン代表に選出され、このアジアカップで大ブレイクを果たしている。

1月9日の練習試合でインドネシア相手に2ゴールを決め、さらにグループステージのパレスチナ戦と香港戦でも得点。今年に入って5試合で4ゴールを決めている、いま「乗りに乗っている選手」だ。ハジ・サフィとの縦関係はまさにイランの最大の武器。

アリレザ・ビランヴァンド

現所属:ペルセポリス

年齢:31歳

ポジション:ゴールキーパー

日本代表、アジアカップ優勝へ「逆襲の鍵を握る」5名の選手

アジアサッカーを知っている方にはもはや何の説明も必要ないであろうイランの守護神ビランヴァンド。ベルギーのアントワープやポルトガルのボアヴィスタでもプレーした経験を持ち、中東地域では歴史上最高クラスの守護神と評価されている。

イランの貧しい遊牧民の生まれで、サッカー選手を志してテヘランへと移住したときにはしばらくホームレスとして路上生活をしていたという苦労人でもある。洋裁工場や洗車場で働きながらサッカーをしていたところ、たまたまあの伝説FWアリ・ダエイが客として訪れたこともあったという。

最近はあまり見られなくなったが、彼の最大の武器は「世界最高の飛距離を持つロングスロー」。70メートル以上を軽々と投げるスローイングは驚異的としか言いようがない。

それだけではなく、長身を器用に生かしたハイボール処理、卓越したシュートストップ、さらに前に飛び出すスピードなど様々な能力に優れたオールラウンドな実力者である。

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