横井チョコレート初の直営店、福井にオープン 工場隣接「新鮮な状態で商品お届け」

2月3日にオープンする横井チョコレートの初の直営店=1日、福井県福井市高柳1丁目

 菓子製造販売の横井チョコレート(本社福井県福井市高柳1丁目、横井孝治社長)は2月3日、初の直営店を本社敷地内にオープンする。自社製品の拡販に取り組む一方、北陸新幹線県内開業に向けて製造現場を見学可能な工場隣接店舗とすることで誘客増に取り組む。新幹線客向けに福井をイメージした商品も多く開発しており、「ゆくゆくは一帯を食の一大観光地にしたい」と意気込んでいる。

 同社は菓子卸、販売の横井商店(本社、社長同)の一事業として始まり、2016年に分社化。相手先ブランドによる生産(OEM)や、コンビニやスーパーで販売する小型商品を中心に製造してきた。

 横井チョコ本社と同じ建物内にある横井商店の店舗「アメ横 夢菓子市」の一角でも販売してきたが、自社ブランド確立に向けて直営店が必要と判断。同店舗の約80平方メートルを2千万円かけ改装した。夏ごろにはガラス越しに工場見学が可能となる。担当者は「福井駅前への出店も検討したが、工場内が見えて商品を新鮮な状態で届けられる利点を生かすため、工場隣接とした」と話す。

 来店の動機づけのために、福井をイメージした商品を多く取りそろえた。福井の幸福度日本一にちなみ、フランス語の「幸福」から名付けた「ショコラボヌール」を発売。直径28センチの円盤型で、ナッツやフルーツなどを色鮮やかにあしらった。

 夏場の持ち運びを意識したチョコラスクも新定番商品としてリリース。ラスクには県産小麦のふくこむぎを使い、パッケージにはフクイラプトルを採用して恐竜王国福井をPRしている。福井の産業を支えた絹織物をイメージし、口溶けのなめらかさを追求した「シルクチョコ」も秋冬限定で販売している。今後はジェラートやドリンク類の販売も計画しているという。

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 店舗周辺には、福井市中央卸売市場をはじめ、食にまつわる集客施設が点在。担当者は「横井商店はこれまでも、観光客の立ち寄り先の一つだった。新店舗と周辺施設が連携すれば、一帯は食をテーマにした観光ルートになり得る」と力を込める。横井社長は「県外での催事販売を強化し、店舗を訪ねてもらうきっかけづくりに注力する。来店者に満足してもらうことで国内外での認知度を上げ、世界へ進出する足掛かりとしたい」と話している。

 午前9時半(休日は午前9時)~午後6時半。元日を除き営業する。

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