黒川能、伝統を舞う 鶴岡・王祇祭始まる

厳かな雰囲気の中、伝統の舞が披露された「王祇祭」=鶴岡市黒川

 鶴岡市黒川地区に伝わる国指定重要無形民俗文化財・黒川能の祭典「王祇祭(おうぎさい)」が1日、同地区で始まり、500年以上続く伝統の舞が演じられた。

 王祇祭は地区の鎮守・春日神社から、ご神体の王祇様を上座と下座それぞれの当屋に移し、能と狂言を夜通し上演する。今回は新型コロナウイルス感染予防のため演目数を減らし午前2時半ごろに終了する方法に変更した。今年の当屋は上座が難波玉記さん(81)=屋号・甚九郎(じんくろう)、下座が遠藤重嗣さん(75)=同・重左衛門(じゅうざえもん)で、上座は黒川上区公民館、下座は遠藤さんの自宅が会場となった。

 演能は午後6時ごろに開演。下座では子どもの舞「大地踏(だいちふみ)」や天下太平を祈る「式三番(しきさんば)」に続き、能の「太社(おおやしろ)」などが披露された。2日は春日神社で奉納される。

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