市街地でイノシシが出没したら・・・? 栃木県と宇都宮大学が初のフォーラム 背景や対応学ぶ

 2023年の秋、宇都宮市の中心部で野生のイノシシの目撃情報が相次ぎました。もし、イノシシと遭遇したらどう対応すべきかを学ぶ初めてのフォーラムが2月1日宇都宮大学で開かれました。

 このフォーラムは栃木県と宇都宮大学が開いたもので、市や町のほか、警察や消防の関係者約60人が参加しました。

 宇都宮市の中心部でイノシシが目撃されたのは2023年10月で、大通りのほか、戸祭元町や材木町でも相次いで目撃されました。

 基調講演で講師を務めた「宇都宮大学雑草管理教育研究センター」の小寺祐二さんは、イノシシが市街地に出没する原因について、移動ルートが近くにある場合や果実やドングリが食べられる場所があることなどを指摘しました。

 小寺さんによりますと、主に河川、特に鬼怒川は間違いなく移動ルートとして使われていてその他、田川周辺も出没の可能性があるということです。

 また、万が一遭遇したら「イノシシとの距離が離れている場合はそのまま静かに距離を取る。近い場合はイノシシの様子を観察し、タテガミが立っていたり、前脚をかく素振りをしているときは攻撃態勢に入っているので速やかに逃げることが重要」ということです。

 イノシシは牙や歯で攻撃するため用水路や河川など一段低い場所に追い込むのが有効だといいます。

 参加者らは宇都宮市の航空地図を使って、田川や宇都宮城址公園の濠などにイノシシを誘導するワークショップにチャレンジしました。

 最後は、屋外でシートとアルミパイプで作った盾や草刈りの飛散防止用のネットでイノシシを追い込む動きを確認し、備えや地域の地理的な状況を把握しておく大切さを学びました。

 栃木県自然環境課の監物伸隆班長は「フォーラムを通して得た気づきを持ち帰ってもらい、実践に生かしてほしい」と話していました。

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