宇都宮市独自設置の児相 国指針上回る職員数を検討 候補地選定の考え方も公表

宇都宮市役所

 宇都宮市は1日の市議会議員説明会で、市独自に設置する児童相談所(児相)について、候補地の選定や組織・職員体制の考え方を示した。候補地は「緊急時の迅速性」や「市民の利便性」など6項目で比較評価して選定。配置する専門職員数は、児童虐待相談件数が増加傾向にあることを踏まえ、国の児相運営指針を上回る人数を検討する。

 市は策定を進める基本方針に盛り込む7項目のうち、組織・職員体制と人材確保・育成、候補地の3項目を説明。候補地の選定は迅速性や利便性のほか、複合施設化などを踏まえた面積の確保、警察署など他機関との連携、保護した子どもが落ち着いて過ごせる環境などの視点で評価する。

 職員体制は国の基準だけでなく、児相の体制強化へ専門職増員などの目標値を盛り込んだ国の「新たな虐待防止対策体制総合強化プラン」(2022年12月)を踏まえた人数を配置し、細やかな支援を目指す。また保護された子どもの学力指導を担う教員OBや、虐待対応の円滑な介入のため警察官の配置も検討するとした。

 心理士や社会福祉士などの専門職の人材確保について、市子ども政策課の西山浩一(にしやまこういち)課長は「自治体や医療機関などのニーズが高く、確保が難しい」と説明。少なくとも6年ほどの中長期的計画で採用を行い、児童福祉司スーパーバイザーなど確保が困難な職種は、任期付採用の活用など早期から確保策を講じる。

 市は今後、外部有識者会議や県との連携推進会議などを経て、6月をめどに基本方針を策定する。

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