「BanG Dream!（バンドリ！）」発のバンドであるAve Mujicaは、Gt.＆Vo.ドロリス、Gt.モーティス、Ba.ティモリス、Dr.アモーリス、Key.オブリビオニスで構成され、独特な世界観を持ったガールズバンドだ。

本公演はAve Mujicaにとって2度目の単独ライブ。曲の合間に5人による芝居を挟みながら進行していくという今までにないライブの模様をお届けする。

■出演者

Ave Mujica
佐々木李子（ドロリス/三角初華役）
渡瀬結月（モーティス/若葉睦役）
岡田夢以（ティモリス/八幡海鈴役）
米澤茜（アモーリス/祐天寺にゃむ役）
高尾奏音（オブリビオニス/豊川祥子役）

公演の開始とともに流れたのはTVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」第13話の一幕。Ave Mujicaのメンバーが劇をしているシーンからスタートした。5人それぞれがセリフを言い終えるとステージの幕が上がり、キャストの5人が登場。アニメと同じく「Ave Mujica」を披露した。

続けて「ふたつの月 ～Deep Into The Forest～」「KINGS」を演奏。スローテンポで重厚感ある楽曲と疾走感のある楽曲を歌い上げ、会場を彼女たちの魅力で包み込んでいく。

3曲の演奏を終えると彼女たちの芝居が始まる。芝居はアニメで見た続きのようで、捨てられたことを受け入れられていないドロリス役の佐々木李子さんが悩む姿を描いていた。

特に印象的だったのはアモーリス役の米澤茜さん。人間に愛されすぎた結果、壊れて捨てられてしまったという、分かりやすくも残酷な境遇。そんな彼女が佐々木さんに対し、「理想の世界なんて、どこにもない」と強く言ったシーンは胸に刺さるものがあった。

芝居の終盤、残酷な現実を突きつけられた佐々木さんは何かに取りつかれたかのように“世界を壊す”という衝動に駆られていく。そして、彼女のセリフとともに「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」の演奏が始まる。さらに続けて、カバー曲の「暗黒天国」、オリジナル曲の「Choir ‘S' Choir」を披露し、力強い声で歌い上げた。

演奏を終えると、ステージが暗転。5人が祈るように手を組んだ姿で登場する。すると、ティモリス役の岡田夢以さんが手を前に出し、「Requiescat in pace」と唱え始める。これは礼拝や祈りにおいて、亡くなった人の魂の永遠の安らかな眠りと平安を願うために使われる言葉で、「安らかに眠れ」という意味がある。岡田さんに続けて4人も「Requiescat in pace」と唱え始め、破壊した世界に対して5人が安らかな眠りを願う場面から芝居がスタートした。

世界を破壊したことに喜びを隠せない岡田さんとモーティス役の渡瀬結月さん。壊した世界で今もなお愛してくれた人間を恨み、愛している米澤さん。そんな3人とは違って、素直に喜べないでいる佐々木さん。様々な感情が見えるシーンで、オブリビオニス役の高尾奏音さんはこう告げる。「さぁ、奏でましょう。刹那の夜に相応しい、今宵限りのラプソディを」

高尾さんのセリフとともに「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」の演奏が始まる。完璧な入りには歓声があがり、会場のボルテージを一気にあげていく。続けてカバー曲の「堕天」、しっとりとした楽曲の「神さま、バカ」を披露。疾走感ある楽曲を2曲続けて披露したかと思えば、スローテンポで佐々木さんの力強い歌声を活かした曲を演奏するというAve Mujicaのかっこよさが全面に出たセットリストだった。

再びステージが暗転すると、1人立ち尽くす渡瀬さんと、椅子に座る4人の姿が現れる。月によってかりそめの命を与えられた彼女たちは、命が終わるという運命を受け入れていた。しかし、その運命を受け入れられない佐々木さんは、世界を破壊したことで何もなくなった代わりに“自由”になったことを4人に話す。その言葉に感化されてか、米澤さん、岡田さんが次々に立ち上がり、遂には高尾さんも運命にあらがう決意をする。

そして5人が新たに創造した月はステージに現れ、彼女たちに新たな命を宿した。そして佐々木さんは言う、「僕たちが創造した、新たな時代が始まる」と。5人のセリフに続けて演奏がスタートし、彼女たちの新たな命を祝福する「黒のバースデイ」を披露した。

最後に披露されたのはライブ初披露となる「Angles」。ピアノの前奏から始まり、佐々木さんがしっとりとした雰囲気で1コーラス歌い上げると、ギター、ベース、ドラムが合流した演奏が始まる。ピアノだけの曲も良かったが、全て合わさった演奏は思わず涙が出るくらい綺麗な音色だった。

「Angles」の演奏とともにステージの幕が下り、本公演は終了となった。今までのどのバンドとも世界観が異なるAve Mujica。今回のライブをきっかけに、彼女たちの魅力を知った方は多いのではないだろうか。もちろん筆者もその一人である。

新作アニメも発表されたこともあり、ますます人気が高まっていくであろうAve Mujica。彼女たちの活躍をこれからも応援していきたい。

■Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」セットリスト

M1 Ave Mujica
M2 ふたつの月 ～Deep Into The Forest～
M3 KINGS
M4 素晴らしき世界 でも どこにもない場所
M5 暗黒天国
M6 Choir ‘S' Choir
M7 Mas?uerade Rhapsody Re?uest
M8 堕天
M9 神さま、バカ
M10 黒のバースデイ
M11 Angles

(C)BanG Dream! Project Photo ハタサトシ