【防災】広島で「最大震度6強」の地震が発生した場合 ライフラインに出る影響とは…

【動画】【防災プロジェクト】震度6強でライフラインにどの程度の影響が出るか

広島で「最大震度6強」の地震が発生した場合のライフラインに出る影響について、広島テレビの塚原美緒気象予報士・防災士がお伝えします。

能登半島地震 被災地の現在の状況は…

能登半島地震の発生から1か月となりましたが、現在の被災地のライフラインは、どのようになっているのでしょうか。「電気」は、おおむね復旧していますが、道路の復旧が遅れているエリアなどで、約2300戸が停電しています。「水道」は、約4万5000戸で断水が続いており、多くの自治体は、仮復旧を2月末から3月末にかけてと見込んでいますが、4月以降にずれ込む地域もあるとしています。そして「通信」は、珠洲市と輪島市の固定電話、約600回線が利用できない状況です。

広島からも、様々な機関が応援に向かっています。中国電力ネットワークの坪根浩二さんは、1月17日から1週間、電力の復旧に携わりました。具体的には、傾いた電柱を元に戻したり、切れた電線をつなぐなどの作業です。

■中国電力ネットワーク配電部配電運営第二グループ 坪根浩二 担当課長

「近くで家屋が倒壊していたり、地盤がひび割れていたり、陥没した場所が近くにありますので、安全を確保しながらやるべき工事を実施していく。こういった所の検討が難しいところがあったかなと。」

道路状況などによって、スムーズな復旧というのも難しい様子が垣間見れます。

広島で予想される最大震度とその影響は…・

広島では、どの程度の被害が想定されているのでしょうか。広島で発生する可能性のある最大震度の想定は、「南海トラフ地震」と「活断層の地震」、いずれも震度6強となっています。

この想定で、広島県がまとめた県内の被害想定を見ると、まず上水道については、107万人に断水の影響、下水道は78万人に支障が出ます。さらに、電気は12万軒が停電に陥り、通信については、8万回線の固定電話が不通になるということでした。ただ、この数字は2013年の発表で、近く国がトラフ地震の被害想定を見直す予定です。

では、詳しく見ていきます。まず、電気については、停電が最大12万軒としています。広島県の想定では、全壊していない建物を除いて、復旧にかかる日数は2日とされています。中国電力ネットワークによると、2001年の芸予地震では、管内の停電およそ4万8000戸が、およそ29時間後に全て復旧したそうです。被害の規模や道路の状況によって、復旧にかかる時間は変わってきます。

続いて「水道」についてです。広島県の想定では、「上水道」は復旧に1か月から3か月以上、「下水道」では1か月半から4か月以上、いずれも全壊している建物を除いて、復旧にかかるとされています。広島市水道局によると、発災3日目までは応急給水の活動にあたり、発災4日目以降から徐々に復旧作業に入りたいという日程を想定しているそうです。少なくとも3日目までは、自分たちで水の備えが必要とのことです。水道は今回の地震を見ても分かるように、復旧が長引くことが予想されます。まずは、「いざという時に、どうなるのかを想像してみること」から、どのくらい備えるといいのかを、これらの数字を参考に、改めてご家族で話してみてください。

【テレビ派 2024年2月1日放送】

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