【GXエデュケーション】「一人じゃないよ」難病の経験を自伝風小説に【大分県】 大分県内在住の新藤朱華さんが「run」出版

新藤朱華さんの自伝風小説「run~病とわたしの全力邁進物語~」

 大分県の新藤朱華(あやか)さんが、難病の線維筋痛症を患う経験を基に書いた自伝風小説「run~病とわたしの全力邁進(まいしん)物語~」(文芸社)を自費出版した。物語の舞台は大学の教育学部。主人公は小学校教師横山真弓。大学時代の親友で病気を抱えながら教師になるという夢に向かって全力で生きる吉岡蘭のことを思い出しながらストーリーが進んでいく。新藤さんは「病気の話だが、いろんな人に楽しく読んでもらえるような小説にした」と話している。

 「新藤朱華」はペンネームで、20代の女性だ。大分県内の高校、大学で学んだ後、就職したが病状が悪化。退職し、現在は自宅で療養しながら執筆している。今回は1作目。3作書き上げることが目標だ。

 「わたしはこの人生を、マイナスだけでは終わらせない。『プラスマイナスゼロ』じゃなく、『プラスマイナスプラス』にしてから死ぬんだ」。新藤さんは蘭に自分を重ね、患者のリアルな心情を描いた。「困難な病気を抱えている人が、周りの人に自分の気持ちを理解してもらうツールとして、この本を使ってもらえたらうれしい」と考える。

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