北良(北上)の支援、被災地の力に シャワー室、手洗い装置設置

市立輪島病院のスタッフに手洗い器の運用方法を説明する北良社員ら=1月24日、石川県輪島市(北良提供)

 能登半島地震の被災地で断水が長期化する中、北上市和賀町後藤の医療用ガス製造供給、北良などが設置するテント型シャワー室と手洗い装置が被災者の衛生環境を支えている。避難所に加え病院からも要望があり感染症対策に寄与。過去最大規模のシャワー100台、手洗い200台規模が運用されており、笠井健社長(49)は「被災規模が大きく、住民側の自立的な運用につなげていきたい」と見据える。

 地震発生から1カ月の1日、能登空港を現地拠点とする北良のスタッフは石川県輪島市の要望を受け、市内の保育園へのシャワー立ち上げに動いた。防災事業部の佐々木向里(ひろ)課長(35)は「シャワー室はプライバシーも守られ、ニーズは高い。利用した皆さんの表情も明るくなる」と語った。

 システムは提携する東京のWOTA(ウォータ)が開発。排水の98%以上を再利用できる機能を備える。ソフトバンクを加えた3社を中心に支援態勢を組み、北良が担当する輪島市と穴水町ではシャワー26台、手洗い57台が稼働する。

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