AIカメラでクマ対策、川岸など30台 花巻市が今春導入の方針

 

 花巻市は、人工知能(AI)カメラを活用したクマ対策に取り組む方針だ。山から市街地につながる川沿いなどに30台を設置し、クマを捉えると担当者に画像を通知。下流に先回りして花火で威嚇し、山に追い返す仕組みを想定する。岩手県内初とみられ、今春の導入を目指す。人里に現れるアーバンベア(都市型クマ)の増加で被害が多発した経緯があり、効果が期待される。

 カメラは動く物を自動で撮影し、AIがクマを識別した場合に画像や動画を市の担当者にメールで通知する。赤外線搭載で夜間でも撮影できる。市は関連経費300万円程度を盛り込む2023年度一般会計補正予算案を2月の臨時議会に提案する見通し。

 市によると、クマは西側の山から豊沢川や瀬川沿いを下り人里へ現れることが多く、川岸に複数のカメラを設置する。クマの動きを迅速に捉えることで、人里への侵入を防ぐ狙い。23年は材木町や吹張町など市街地にも多く出没したため、中心部にも設置して行動ルートの予測に役立てる。

© 株式会社岩手日報社