壱岐市と平戸市、旧耐震基準の住宅が5割を占める

昔ながらの木造住宅が立ち並ぶ町並み=壱岐市内

 古い耐震基準で建てられた住宅の割合が高い全国の上位20市町に壱岐、平戸両市が入った。耐震化率も県平均を下回っている。両市は助成制度で改修・解体・建て替えを促進し、県と同じ「2025年度までに耐震化率95%」を目標に掲げるが、住民の意識啓発も課題という。
 18年の住宅・土地統計調査や共同通信の集計によると、古い耐震基準の住宅割合は壱岐市が49.36%で全国15番目、平戸市は48.57%で19番目に高かった。壱岐市建設課は「息子や娘が島を離れたり、いたとしても島内の別の家で暮らしていたりして、高齢世帯が古い家に住み続ける状況にある」との見方を示す。
 同課によると、市内住宅の耐震化率は約77%(23年度時点の推計値)。時期はやや異なるが、県全体の87.4%(22年度時点の推計値)に比べ10ポイントほど低い。
 他市町と同様に耐震化の助成制度を設けているが、14年度を最後に利用実績はない。能登半島地震を受け1月20日に県と無料相談会を開いたが、来場者は1人だけだった。
 同課は「お金もかかるので、このままでいいという声もよく聞く。福岡県西方沖地震(05年)以降大きな地震がなく、住民の危機意識は低い」と頭を悩ませる。能登半島地震を受け「耐震化の必要性をいま一度周知していきたい」とする。
 平戸市の住宅耐震化率は80%(20年1月時点の推計値)となっている。

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