すでに完売も…5年ぶり「週末の節分」で恵方巻の売り上げ好調 銀座のすし店監修の商品など各社が多種多様に

「週末は家族や友人と恵方巻きを味わってほしい」と話すイオン与野店の仲上陽香さん=2日、さいたま市中央区

 3日は「節分」。新型コロナウイルスの5類移行後初となる冬の風物詩を楽しんでもらおうと、埼玉県内のスーパーや飲食店では趣向を凝らした商品をそろえて客を呼び込んでいる。コロナ禍の昨年は一人でも手軽に味わえるハーフサイズが人気だったが、今年は5年ぶりに週末の土曜日に当たり、家族や友人と一緒に楽しめるパーティーセットや煮アナゴ、カズノコなどの高級食材が詰まった豪華太巻も売り上げを伸ばしている。

 総合スーパー「イオン」「イオンスタイル」を展開するイオンリテール(千葉市)は2日から全国の店舗に特設コーナーを設置。さいたま市中央区のイオン与野店では通常の巻きずし売り場の約10倍となる特設コーナーで21品目のオリジナル恵方巻きを販売している。目玉商品は銀座の高級すし店「鮨よしたけ」監修の「極(きわみ)太巻き」(1本巻き1490円)と「招福海鮮恵方巻」(同1944円)。

 中央区の40代女性はハーフサイズを中心に4種類を購入。「仕事も休みなので家族とシェアして楽しみたい」と話した。同店総菜担当の仲上陽香さんは「さまざまな味とサイズの商品を取りそろえているので選ぶ楽しさも感じてもらえたら」と呼びかけた。同店は前年比2割増しの売り上げを見込んでいる。

 人気の高まりとともに売れ残りによる廃棄も問題になっているため、和食レストランチェーンのとんでん(さいたま市南区)は北海道と関東の全96店舗でテイクアウト商品として事前予約を実施。昨年よりも出足好調で、既に完売した店舗が多いという。

 同社広報担当の乙二香央里さんは「ウナギをぜいたくに巻いた商品や12種類の具材が楽しめる海鮮巻きなど5種類を用意した。来店時間に合わせて職人が一本一本丁寧に手巻きしているので家庭でも新鮮な味を楽しんでほしい。一部店舗ではまだ購入できる場合があるので事前に電話で問い合わせを」と話していた。

© 株式会社埼玉新聞社