尾花沢市の銀山温泉では、冬景色を求めて、連日、台湾などから観光客が押し寄せている。今年は雪が少なく、旅館や山並みは薄化粧のような装いだ。落日とともにガス灯がともると、大正ロマンが漂い、優美に浮かぶ街並みを写真に収めようと多くの人が通りに繰り出している。
市観光物産協会によると、銀山温泉へのインバウンド(訪日客)は、雪景色を見ようと、特に冬場が多い。近年は台湾や中国などで旧正月を祝う、春節の時期に最も混み合う。新型コロナウイルス禍の影響で、2020年度の観光客は、この10年で最も落ち込んだが、22年度は約9万人多い30万2300人に回復している。
満員のバスが次々と来場し、観光客は温泉街の景観に見入り、スマートフォンで記念撮影していた。大阪から友人と訪れた大学生斉藤亜彩さん(21)は「インターネットで見た風景と同じだ」と話していた。