自民県連・野上会長が辞任 裏金問題、後任は橘氏軸に調整

報道陣の取材に応じる野上氏(右)と田畑氏=富山市内

 自民党富山県連の野上浩太郎会長(56)=参院4期、県選挙区=は3日、党派閥の政治資金パーティー裏金問題の責任を取り、県連会長を辞任した。富山市内で開かれた県連の常任顧問会議で説明し、常任総務会で正式決定した。野上氏は常任総務会後の支部長・幹事長・事務局長会議で「大きな政治不信を招き、申し訳ない。責任を強く感じている」と述べた。新会長は橘慶一郎会長代行(63)=衆院5期、富山3区=を軸に調整が進むとみられる。

 終了後、裏金問題が発覚した野上氏と田畑裕明氏(51)=衆院4期、富山1区=が報道陣の取材に応じた。野上氏は能登半島地震の対応に追われる中での辞任を謝罪した上で「後任の人事は速やかに決定するということなので一致団結できる体制の構築が重要だ。その中で私もしっかり支えていく」と語った。

 田畑氏は「私の監督責任であり、不徳の致すところだ。すべては私に責任がある。信頼回復のために丁寧に対応し、仕事をしていきたい」と述べた。

 安倍派からパーティー券の販売ノルマ超過分の還流を政治資金収支報告書に記載していなかった。2018年から5年間の不記載額は、野上氏が100万円、田畑氏は68万円だった。問題を受け、野上氏は参院国対委員長、田畑氏は衆院厚生労働委員長をそれぞれ辞任している。

 野上氏は、2020年11月、宮腰光寛前衆院議員の後を受けて県連会長に就いた。後任人事について、宮本光明県連幹事長は「今後幹部で協議する」と述べるにとどめた。

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