「田んぼダム」動画で解説 県が作成、減災へ普及図る

県が作成している田んぼダムの仕組みや効果を紹介する動画(県提供)

 豪雨災害時に水田の水をためる機能を利用して減災を図る「田んぼダム」の普及に向け、県は仕組みや効果をまとめた動画を作成している。県内の水田で進めている実証結果も盛り込み有効性を周知し、実践主体となる生産者の理解促進、導入につなげる。

 県は実践する民間団体や市町村と連携して、田んぼダムに関する情報発信などに取り組んでいる。2022年度は置賜、23年度は村山の両地域で雨水の貯留機能を検証し、ピーク時の水田の排水流量が53~75%程度軽減されたという。

 動画では写真や3Dアニメーションを交えながら、水田から流れ出る場所に調整板(堰(せき)板)を設置して流量を抑える仕組みや、検証により認められた効果、導入には国の多面的機能支払交付金などを活用できる点を紹介している。8分程度にまとめ、動画投稿サイト・ユーチューブの県公式チャンネルで年度内に公開する。

 県によると、県内の田んぼダムは、圃場整備事業などに合わせ徐々に導入が進むものの、水稲の22年産作付面積(子実用)約6万1500ヘクタールに対し、実践面積は5%程度にとどまる。県担当者は「流域治水の推進へ、多くの生産者に協力してもらえるよう周知に努める」と話している。

© 株式会社山形新聞社