福井駅近くの「一等地」に和風ホテル、着工日が決定 県繊協ビル敷地で10階建て156室を予定

ホテルの着工が3月1日に決まった福井県繊協ビルの敷地=1月31日、福井県福井市大手3丁目

 福井県福井市大手3丁目の県繊協ビル建て替えプロジェクトの一環で、同ビル南側敷地に建設する和風ホテル「御宿野乃(おんやどのの)福井(仮称)」の着工日が3月1日に決まった。竣工は来年10月の予定で、開業時期は未定としている。

 敷地を管理する同ビル同業会(田中亮輔会長)が1月31日、明らかにした。

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 当初は2022年5月の着工を予定していたが、資材費高騰による建設費増大などを理由に延期していた。ホテルは地上10階建て、156室を予定し、当初計画通りの規模。従来は鹿島リース(東京)が建設し共立メンテナンス(同)が運営する計画だったが、建設も共立メンテナンスが行うことになった。2月中に敷地の賃借に関する本契約を結ぶ予定。

 県繊協ビルは老朽化のため建て替えられ、21年11月に新しい10階建てビルがグランドオープン。昨年9月には立体駐車場の供用を開始した。ただ、大名町交差点沿いに建設予定の同ホテルは、旧ビルの解体撤去工事が長引き着工を一度延期。その後、建設業者側から採算面や事業、契約内容の見直しが必要として、さらに2年延期の申し入れがあり、更地の状態が続いていた。

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 同業会の田中会長は福井新聞の取材に「中心市街地の一等地をずっと更地にしておくわけにもいかないと思っていたが、ようやく着工が決まり安心している」と語った。その上で「詳細は分からないが、事業者はコストダウンに向けた努力をいろいろされたと思う。当初計画通りの規模となってよかった」と話した。ホテル建設が決定したことで、県繊協ビル1階商業フロアの空き区画の誘致にも追い風になるとした。

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