「日本とフィリピン」の厳しい実情と暖かな交流を描く実話映画『サンパギータ』&『フィリピンパブ嬢の社会学』2月公開!歌い踊る“アジアの中心地”を知る

『サンパギータ』©2023「フィリピンパブ嬢の社会学」製作委員会

実話から生まれた2つの「日本×フィリピン」映画

1956年の国交正常化以来、密接な関係を築いてきた日本とフィリピン。第二次世界大戦における様々な行為を考えれば、わずか10年ほどで恩讐を超えて友好関係を築けたことは、フィリピンの人々の赦しの心、平和への願いあってのものだろう。

現在は飛行機で4~5時間程度で行き来できるフィリピンだけに、日本に暮らす人も多い。日常生活で頻繁に接するという人もいるかと思うが、そんなフィリピンの人々にスポットをあてた映画が2作、どちらも2月に劇場公開される。日比合作のロマンス映画『サンパギータ』と、外国人女性労働者の実態を描いた『フィリピンパブ嬢の社会学』だ。

日比MIXの小池樹里杏が手掛ける越境ロマンス『サンパギータ』

モデルになるため日本に来たフィリピン人のエミリアは、フォトグラファーの未来(ミキ)と出会う。異国のふたりは互いにないものに惹かれ、求め合う。未来はその瞬間を逃さないように写真を撮り続ける。

しかし、それはどこか脆く儚く、季節が流れるように突然の別れが訪れる。そして物語は海を越え、フィリピンへ――。

異文化カルチャーをベースに海を超えた男女の絆を綴る

日本とフィリピン共同製作による本作は、国や文化、人としての違いを乗り越えて認め合っていく、ある男女の強さや優しさを描くラブストーリー。主演・脚本・共同監督を務める小池樹里杏は日本×フィリピンのMIXで、自身の経験を題材にクラウドファンディングから製作を開始した渾身作だ。

本作でエミリア役を演じる小池は、英語・日本語・タガログ語のトリリンガルを披露。もう一人の主人公・未来を演じるで内田裕大は本作が長編映画初主演となるが、NHK大河ドラマなどへの出演でも知られ、映画監督としても活躍の場を広げている。

『サンパギータ』は池袋シネマ・ロサほか公開中。

パブで出会って、騙され? 恋をした!『フィリピンパブ嬢の社会学』

フィリピンパブを研究対象にしている大学院生・中島翔太(前田航基)は、パブで偶然出会ったフィリピン人女性のミカ(一宮レイゼル)と付き合うことに。

しかし、彼女は偽装結婚をしていることが判明。さらに翔太は、月給6万円、監視付きの汚部屋、休みは月に2回だけ……といった過酷な生活環境を目のあたりにする。

一方、ミカは現状にめげることなく働き続け、故郷・フィリピンの両親のもとに翔太を連れていく。彼女を大切に想う気持ちが次第に強まる翔太は、ミカに懇願され元締めのヤクザの元に乗り込むことになるが……。

“偽装結婚のリアル”を背景に、多文化共生のあり方を描く

中島弘象氏による実体験を綴った話題の新書「フィリピンパブ嬢の社会学」を映画化した本作。フィリピンパブの裏側で未だ行われている偽装結婚のリアルを背景に、多文化共生のあり方を描いた異色のラブストーリーだ。

日本で働く外国人女性労働者の実態をリアルに描いたのは、『能登の花ヨメ」『ママ、ごはんまだ?』の白羽弥仁監督。主人公の中島翔太役を演じるのは、『奇跡』(2011年:是枝裕和)で、弟の前田旺志郎とW主演で鮮烈なデビューを飾った前田航基。ヒロインのフィリピンパブ嬢・ミカ役には、映画初出演となる一宮レイゼルが東京、愛知で開催された全国オーディションにて大抜擢された。

『フィリピンパブ嬢の社会学』は2024年2月17日(土)より新宿K’s cinemaほか全国公開

© ディスカバリー・ジャパン株式会社