大盤振る舞いの一日 藩政時代からの初売り「旧正マッコ市」(青森・黒石市) 「福」求め客どっと

福まき特設会場のやぐら前にどっと詰めかけた笑顔の買い物客たち=4日午前5時過ぎ

 青森県黒石市で4日、藩政時代から続く旧正月の初売り行事「旧正マッコ市」(黒石商店街協同組合主催)が行われた。まだ暗いうちからマッコや福まき、振る舞いなどをお目当てに、買い物客がどっと街に繰り出し、にぎわいを見せた。

 同日の市内は夜明け前から穏やかな天候に恵まれた。中心街の特設会場に組まれたやぐらの上で、地元のミュージシャン鉄マンさんらがマッコ市のテーマソングで盛り上げ、髙樋憲市長が「マッコ市は黒石の商人魂。街を満喫しながらいいマッコをもらっていって」とあいさつした。

 カウントダウンで買い物客の期待が頂点に達した午前5時ちょうど、恒例の「福まき」がスタート。落花生と一緒に参加店のサービス券や現金などが入った千個の小袋が次々とまかれ、市民らは今年の福を呼び込もうと手を伸ばしたり袋を上に向けて広げたりしていた。

 同市の看護師工藤美樹子さん(44)は「おしるこの振る舞いを一番でいただいてから福まきに参加した。10袋ほどはもらったかな」と笑顔で話した。

 各商店は割引やおまけなどの大盤振る舞い。買い物客の冷えた体を温める津軽そばやラーメンの湯気が早朝から上がり、午前10時からの2回目の福まきのほか、抽選会や生マグロの解体即売会も行われ、街は一日中活気にあふれた。

 マッコは津軽弁で「お年玉」や「おまけ」のこと。マッコ市は毎年2月の第1日曜日に開催されている。

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