YSアリーナ(青森・八戸市)初の国際大会、地元ボランティアら奮闘 スピードスケートジュニアW杯

表彰式の介添えを担当した八戸西高の毛利さん(右)と福村志穂さん=4日
米国代表選手の家族(右)と八戸の観光地などについて話す通訳ボランティアの北條さん=4日

 青森県八戸市のYSアリーナ八戸で3、4の両日開かれたスピードスケートのジュニアワールドカップ(W杯)では、地元の高校生や大学生、市民ら55人がボランティアスタッフとして同アリーナで初の国際大会の運営をサポートし、各国代表選手や国際競技役員らを笑顔で迎えた。スタッフに共通する思いは「八戸に良い印象を持ち、また来たい-と思ってほしい」。9~11日に同会場で開催される世界ジュニア選手権でも、縁の下の力持ちとして大会を支える。

 競技補助や選手・競技役員らの受け付け、誘導などを担当したのは、八戸学院大や八戸西高、八学光星高のスピードスケート部員たち。表彰式の介添えとしてメダルや副賞を運ぶ役割を担った八戸西高の同部マネジャー毛利佐和子さん(2年)は「外国人選手がいるので去年の八戸国体の表彰式より緊張するけれど、貴重な体験。選手には良いタイムを出してほしいし、またここで滑りたいと思ってくれたら」と笑顔で語った。

 英語の通訳ボランティアを務める八戸国際交流協会のメンバー5人のうち、物販ブースの案内を担当した同市の北條玲子さん(63)は、米国代表選手の家族らと会話し「はっち、マチニワに行ったら良かった」「地元の人が親切」といった感想を聞いたという。表彰式に参加する選手の誘導に当たった同市の吉田博史さん(74)は「せっかく日本に来たのだから、良い印象を持ってほしい」と話した。

 県スケート連盟のスタッフも、ジュニアW杯と世界ジュニア選手権の2大会を主催する国際連盟、主管の日本連盟を万全の態勢でバックアップする。1988年カルガリー五輪スケート代表の金濵康光・県連盟理事は現在八戸消防本部トップの消防長だが、2大会とも運営本部の医事・救護係として会場に常駐し、負傷者や急病人発生に備える。金濵さんは同アリーナ最初の国際大会に立ち会い「ようやく念願がかなった」と喜び、「国際的に知名度のあるリンクになって、世界のスケーターに『八戸だったら来たい』と思ってもらいたい」と期待を込めて語った。

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