能登へ陸前高田市立博物館が励ましのSNS 東日本大震災で全壊

SNSを通じて能登半島地震の被災地にメッセージを送る熊谷賢さん=陸前高田市立博物館

 「負けない。積み重ねて来た地域の歴史は、絶対に負けない」―。能登半島地震の被災地へ向け、交流サイト(SNS)のX(旧ツイッター)で発信を続けているアカウントがある。東日本大震災で全壊し、再建された陸前高田市立博物館(@RikutakaMuse)だ。投稿の主は同館主任学芸員の熊谷賢(まさる)さん(57)。「文化財は復興する上で絶対必要なもの。大丈夫です、みんなで助けます」。自らの経験を胸に、思いを届ける。

 「今は、本当に大変だと思いますが、あきらめないでください。私たちも能登半島地震で被害を受けた博物館を応援しますので、あきらめないでください」(1月5日)

 「ふるさとは負けない。私たちはそう信じて続けています。東北も北陸も同じです」(同15日)

 陸前高田市では、震災で同館以外にも市立図書館などの文化施設が被災した。全国からの支援で約46万点の資料が救出され、現在も再生の処理が続く。2022年に再建された同館は文化財レスキューの象徴的存在だ。

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