ザクザク食感のデニッシュ生地と、たっぷりのカスタード。ベーカリータツヤの「クリームコルネ」【福岡市南区】

福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただくこちらの連載。46回目の今回は、福岡市南区にあるベーカリータツヤの「クリームコルネ」です。

今の時代、ケーキ屋さんも焼き菓子屋さんも大変だなぁと。

何故ならば、 パン屋さんのお菓子たち、とてもとても、美味しくなってます。元々、パン屋さんのメニュー自体に、カスタードクリームを使った「クリームパン」がありますし、ドーナツや、クッキーを置いてる所も昔からありましたよね。

それに加えて、最近はスコーンやプリンもお見かけするようになったし。パン屋さんと焼き菓子屋さんのラインナップが、さほど変わらなくなってきている印象です。いやはや、群雄割拠。スイーツ戦国時代とはまさにこのこと也。

しかし、 ここで敢えて厳しいことを言わせて頂くと、やはりそこは、餅は餅屋。パン屋さんのスコーンは、どこかパンっぽく、やはり「焼き菓子」の雰囲気とは違うかなー、とか。他のお菓子類にしても、どこか素朴というか、いや逆にそれがパン屋さんのお菓子の魅力なのですよね、パン屋さんのお菓子は「そういう」ものとして頂くのが常になっておりました。

パティスリー顔負けの「クリームコルネ」

がしかし、福岡市南区花畑にあるベーカリータツヤさんの、クリームコルネを頂いて、いやもうこれは、 パティスリー顔負けというか、パティスリーやろ!(パン屋さんです)と思わずにはいられませんでした。

ザクザクッと心地よい音を立てるデニッシュ生地。これはあえて、厚めに作っていらっしゃるのかと。他で見かけるこういうコルネより、重厚。そして、味が濃厚です。重厚な生地だからこそ、噛み締められる生地だからこそ、ガリッと弾ける時に漂う、バターの香り、風味。それらが鼻腔に残っているうちに、今度は口中にたっぷり、たーっぷりのカスタードクリームが満ち満ちる。

逆に、パティスリーのそれより好みだなーと思わせてくれるのは、この「生地も主役なんだぜ」感。そして、生地もクリームも、甘さ控えめということ。合わさって食べてこそ、ちょうど良く。食べ終わったときに、ああ、また食べたいと思える甘さなのです。

たぷたぷと、嬉しい濃度のカスタードは、ミルキーさも兼ね備えており。先程感じた、バターの芳しい風味とはまた違う、柔らかい乳製品の優しさが、口中に残っていたデニッシュの欠片たちと合わさって、、、ザク、とろ、ザクザク、とろとろ。 ああ、喉を降りていく時の「まだ行かないでー!!!」感が半端ないです。 無くなるのが悲しい。

ありがたいことに、これだけバターの風味が漂う生地ですが、手に持った時のベタつきゼロ!です。綺麗に焼き上げてくださっている証。バリンッと弾けるような生地なので、もちろん細かい欠片たちがお皿には残るわけですが。このね、欠片のひとつひとつも、指で拾って食べたくなるのですよ。一欠片たりとも残したくないのだ。

それは、同じ日に購入したスコーンも同じで。

これまた焼き菓子屋さんやろ!(パン屋さんです)な仕上がりの、カリッカリ、中はフワモフッなスコーンは、 めりめりと半分に割って食べているうちに、 美味しいカケラがお皿に散らばる。それをまた、愛おしむかのように、ひとつひとつ、指で拾って食べるのです。

これをお行儀悪いなんて言われるんだったら、甘んじてそれを受け入れようではないか。そうです!お行儀悪いのよワタクシ!でもそういうあなたもきっと、こっそり指で拾っちゃうからねー!その時にコソコソ周りを見渡しても遅いんだぞー!!と。

まだ出会ってもいない誰かとの小学生同士のような喧嘩シーンを想像しながら、 お皿を舐めることだけはやめよう、そこは、大人だし。と誓うのだった。

店舗情報

ベーカリータツヤ

住所:〒811-1356 福岡県福岡市南区花畑2丁目45−29[map]

営業時間:10:00〜17:00

定休日:日・月曜日(詳しくは店舗Instagramをご確認ください)

TEL:092-565-5200

駐車場:あり

Instagram:@ bakerytatsuya

https://www.instagram.com/bakerytatsuya/

オンラインショップ:https://tatsuyabread.base.shop

© 株式会社えんメディアネット