能登半島地震の発生から1カ月 断水の影響で今でも「炊き出し」が必要  石川県珠洲市の現状とは

テレビ愛知

能登半島地震の発生から1カ月が過ぎました。現在も1万5000人以上の方が避難生活を送っています。能登半島の北端に位置する珠洲市でも怪我をしたり、亡くなったりした方が合わせて350人。5000棟以上の家屋が倒壊するなど、甚大な被害がありました。今も1400人以上が避難していて、ほぼ全域で断水しています。(※2月5日午後2時時点)

現地の復旧はなかなか進まず、当初予想していたボランティア活動とは様子が異なっているといいます。珠洲市で発災直後から現地に入り、ボランティア活動をされている愛知県春日井市のボランティア団体「愛・知・人」の赤池博美代表に話を聞きました。

―――どういった支援をされる予定だったんですか?

ボランティア団体 赤池博美さん:
「屋根にブルーシートを張ったり、壁に養生したり、大工さんや屋根ふき店が入るまでの応急処置をメインにする予定でした」

しかし、現地では、赤池さんたちは避難所での炊き出しに従事することが多いといいます。

ボランティア団体 赤池博美さん:
「炊き出しは必要になるとは思っていたけれど、今までの経験上、熊本でも(炊き出しにあたった期間は)2~3週間だったので、それくらいかと思っていた」

当初の予想に反し、発災から1カ月経った今も炊き出し支援にあたる赤池さん。その要因の1つが「断水」です。

ボランティア団体 赤池博美さん:
「水道が使えない。下水もやられてしまっているので、排水もできない。家で食事を作りたくてもなかなか作れない人が多くて。ここまで数多く長期的に炊き出しを続けないといけないという状況はなかなかしんどいというか、大変だったなと」

炊き出し支援が長期化しているもう一つの理由にこの地域特有の事情です。

ボランティア団体 赤池博美さん:
「やはり高齢化。避難所でも若い人が最初のうちは結構いたんです。炊き出しも自分たちでやっていたが、2次避難が始まって、そういう人たちがどんどん避難して、支援できる人が少なくなっている」

―――炊き出しをするボランティアはますます必要になる?

ボランティア団体 赤池博美さん:
「単発で『炊き出しに行きます』といっても調整する人が必要。避難所へボランティアに『行きます』といっても、どこの団体がどんなことをしてくれるのか、なかなかわからなくて混乱することがある。まだ受け皿がない。行政職員も社協職員も被災している人が多くて、実際うまく回っていない」

そんななか珠洲市では2月3日、一般ボランティアの受け入れが始まりました。

ボランティア団体 赤池博美さん:
「一般のボランティアの募集も始まったが、12人。一気にボランティアが何十人、何百人と来ても渋滞も起こるし、それまでの(被災者たちの)ニーズをかき出せていないということで、こういった現状となる」

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