下北縦貫道路(青森県)は「2032年度開通」 県が県内インフラ整備目標示す

主要な道路事業の完成目標などについて発表する宮下知事=5日、県庁

 青森県は5日、道路、河川、ダムなど県内インフラ施設の完成目標を発表した。むつ市と七戸町をつなぐ高規格道路「下北半島縦貫道路」(約70キロ)については、国直轄事業の「野辺地七戸道路」(約7キロ)を除く県整備区間(約63キロ)に関し、2032年度の開通を目指す方針を示した。未整備の一部区間は設計や用地買収、工事が終わっていないが、目標時期を設定することで早期整備に向けた機運を高め、関係機関の連携を促すことが狙い。

 現在、県が整備中のインフラ施設約320カ所のうち▽事業規模が大きい▽事業期間が複数年にわたる▽県民の関心が高い-などに該当する156カ所の整備見通しを公表した。

 下北縦貫道は国の補助を受け、県が整備を進めている。今回、未整備区間「奥内バイパス」(仮称・むつ奥内IC-仮称むつ中野沢IC)、「横浜北バイパス」(むつ中野沢IC-仮称・横浜IC)の開通目標を28~32年度と初めて示した。軟弱地盤の改良工事や地権者が多数いる共有地の買収などが順調に進んだ場合、32年度までに県整備区間の工事が終了すると想定した。

 野辺地七戸道路は国が工事前の調査、設計を行っており、開通時期は今後示される見込み。

 県によると、インフラ施設の完成時期は用地買収や国、県の予算成立のめどが立った段階で発表となるケースが多く、用地買収や予算成立が未定の段階で長期的な目標を公表することは珍しい。今後は国の予算や県の財政状況、事業の進捗(しんちょく)を踏まえ、年1回のペースで目標時期を見直していくという。

 宮下宗一郎知事は5日の定例記者会見で「チャレンジング(挑戦的)な形での目標公表はインフラの重要性を示すため。市町村や地域の住民の協力、理解を得ながら開発を進める上で非常に意味がある」と説明。「(インフラ整備の)未来を共有し、その先にある投資を呼び込む。一年でも早く完成できるように努力するという動きが出て、化学反応が起きることに期待している」と述べた。

 県が示した他の主なインフラ施設の完成目標は、弘前市から板柳町を経由して青森市浪岡地区につながる津軽横断道路と八戸環状線(八戸市)が32年度、小国沢の砂防ダム(平川市)が28年度、国道101号追良瀬Ⅱ期1工区(深浦町)が27年度。

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