【ミャンマー】違法賭博関与の中国人など5万人、強制送還[社会]

ミャンマー国軍の最高意思決定機関「国家統治評議会(SAC)」の議長を務めるミンアウンフライン総司令官は、北東部シャン州の中国国境などでオンライン詐欺などに関与した中国人など約5万人の外国人を関係国に引き渡したと明らかにした。

ミンアウンフライン氏は1月31日に開いた国家防衛安全保障会議(NDSC)の会合で、シャン州の状況が複雑化している原因はオンライン詐欺にあると指摘。長年にわたり麻薬密売や違法賭博の拠点だった中国国境沿いのラウッカイを含むコーカン自治区では、新型コロナウイルスが流行した時期からオンライン賭博が急拡大し、違法賭博を運営する詐欺集団に雇われた外国人の不法入国が急増したと説明した。

オンライン賭博やオンライン詐欺を含むミャンマー国内の違法ビジネスの大半は中国やラオスとの国境地域を拠点としているため、国軍は違法ビジネスを効果的に取り締まるべく両国との交渉を続けていると強調。違法ビジネスに関与している不法滞在者の大半は、少数民族武装勢力の保護下にあるとも指摘した。

国軍によると、2023年10月5日から24年1月29日までに、ミャンマー国内に不法滞在し、オンライン詐欺などに関与していた外国人5万20人が関係国に引き渡された。うち中国人が4万8,210人で大半を占めた。

1月23日には、ラウッカイやシャン州の少数民族武装勢力、ワ州連合軍(UWSA)が実効支配するワ自治管区のパンサン、民族民主同盟軍(NDAA)が実効支配するモン・ラ特別自治区のモンラなどから逃亡した中国人男性1,002人、女性36人の計1,038人が中国に引き渡された。

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