「支え合い」広げる機会に 佐野で10日、映画上映など 市民団体が第1弾

「ちょこっと」が上映する映画「隣る人」のチラシ

 【佐野】市内で子どもの居場所づくりに取り組む市民ボランティア団体「ちょこっと」が、地域の人々との絆の輪を広げるための活動をスタートする。第1弾として10日、児童養護施設の8年間の日常を追った映画「隣(とな)る人」の上映と、映画を企画・制作した市出身の稲塚由美子(いなづかゆみこ)さんとのトーク会を市役所の市民活動スペースで開く。熊倉百合子(くまくらゆりこ)代表は「地域の子どもを地域で支えるためのヒントがある。人と人がつながる機会になれば」と参加を募っている。

 同団体は昨年1月、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員を経験した熊倉代表ら3人が立ち上げた。市内の認定NPO法人「まごの手」の協力を受けながら地域型子ども食堂や親子相談を行っている。

 子どもの居場所づくりの充実には、「地域での支え合い」を自分たちのテーマとして人々に考えてもらうことが大切であると認識。お互いの思いを伝えられるような機会を設ける取り組みなどを考えたという。

 映画は「親と暮らせない子どもたちと、隣り合う保育士たち。そして、子どもたちと再び暮らすことを願う親」を描いたドキュメンタリー。文化庁映画賞の大賞などを受賞している。

 当日は聴覚障がい者にも配慮し、字幕付きで上映する。稲塚さんはミステリー評論家で、社会福祉法人の理事や民生委員・児童委員を務めている。上映には田沼ロータリークラブの寄付を活用した。

 午後1~3時半(0時40分受け付け開始)。入場無料。定員は60人で事前申し込みが必要。(問)同団体090.1253.7233。

© 株式会社下野新聞社