ウエイト王者、地震に負けず 珠洲・飯田高の川端選手 富山避難、ホテルで練習

2次避難先でトレーニングに取り組む川端選手=富山市内のホテル

 飯田高ウエイトリフティング部3年の川端健太郎選手(18)=珠洲市大谷町=は能登半島地震の2次避難先である富山市のホテルに滞在し、厳しい練習環境下でトレーニングに励んでいる。昨年の鹿児島国体の少年102キロ超級王者で、今春に強豪の法政大へ進む期待の星は「自分の活躍で地元に元気を届けたい」と震災にめげず、飛躍を誓っている。

 川端選手は身長175センチ、体重140キロ後半で、高校1年から競技を始めた。元全日本女子監督の浅田久美さんと石川県勢初の全日本選手権覇者である夫の浩伸さんから指導を受け、3年時から記録が大きく伸びた。

 昨年は全国高校総体でジャーク3位、トータル4位。鹿児島国体はスナッチ122キロ、ジャーク160キロでいずれも2位となり、トータルで優勝した。

 進路は全日本大学対抗戦で最多優勝を誇る法政大にスポーツ推薦で進学する。

 被災した自宅は形が残るものの住める状況ではない。家族6人で大谷小中に避難し、市議の父孝さんは今も現地で避難所運営に当たる。1月20日に残る家族で2次避難先のホテルテトラリゾート立山国際に移った。

 本来なら3学期も部活に参加し、バーベルを手に練習する予定だった。専用器具のないホテルでも、スクワットや体幹トレーニングなどに汗を流す。

 日本記録保持者である109キロ超級の村上英士朗選手(富山市出身、いちご、滑川高OB)に憧れる川端選手は「少しでも近づきたい」と3月から始まる法政大の合宿に向け気合を入れた。

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