リモートで勉強しっかり 宇奈月に避難、門前高生徒会長・中島さん

リモートで授業を受ける門前高の中島さん=黒部市宇奈月温泉のホテル

 能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島市から黒部市宇奈月温泉のホテルに2次避難した門前高2年の中島侑鈴(ゆり)さん(17)がリモート授業で日々、勉学に励んでいる。生徒会長として、3月に卒業する3年生に贈る生徒会誌も制作しており、地元に残る生徒会役員とともに震災を乗り越えて先輩に届ける準備を進めている。

 中島さんの自宅は沿岸部の門前町剱地(つるぎじ)にあり、一部損壊の被害を受けた。近くの剱地原子力災害防護施設が避難所となり、発災直後は一時、約300人が身を寄せ、中島さんは母禄代(さちよ)さん(51)と共にお年寄りがトイレに行く際の誘導などを率先して手伝った。

 輪島市の呼び掛けで、郵便局の仕事がある父博之さん(51)を残し、祖父母を連れ、4人で1月30日に宇奈月に移った。門前高は同29日からオンライン併用で授業を再開した。ホテル側の配慮もあり、中島さんはロビーのデスクスペースで31日から早速、学校用ノートパソコンで授業を受けている。

 「みんなばらばらになったけど、友だちの顔も見られる。オンラインとはいえ、勉強が続けられてありがたい」。ノートをきちんと取りながら、中島さんは控えめな笑顔を見せた。3年生に贈る生徒会誌は「ページ数が少なくなったとしても、励まし、元気づける思いも込めて何とか仕上げたい」と、仲間と再会できる日を待ち望みながら、勉強も生徒会活動も全力投球だ。

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