春節祭、華やか盛大に 迫力の中国獅子舞や変臉、二胡演奏など 神戸・南京町で10~12日 限定品も販売

楊貴妃や項羽ら歴史上の武将や姫の装いで街を練り歩いた中国史人游行=2023年1月、神戸市中央区元町通1

 中国の旧正月を祝う「南京町春節祭」が10~12日、神戸市中央区の南京町で開かれる。獅子舞をはじめとした伝統芸能のステージや、限定商品の発売など多彩な催しを企画している。(井沢泰斗) ### ■くじの景品には、横浜で人気の豚まんセット

 南京町春節祭は1987年に始まり、97年には市の地域無形民俗文化財に指定された。36回目を迎える今年は、旧暦の元日に当たる10日午前11時に爆竹を鳴らして開幕する。各店が期間限定メニューを売り出し、ステージでは中国獅子舞や顔の面が一瞬で変わる「変臉(へんれん)」、二胡の演奏などが繰り広げられる。

 コラボレーション商品として、通販大手フェリシモ(神戸市中央区)がピンク色の獅子をイメージしたオリジナルワインを開発。「テーマパークのように楽しんで」という思いから、獅子を模した耳当て付きキャップも販売する。

 同時期に春節祭を開催する横浜中華街(横浜市)とも連携する。「紅包(ほんぱお)」と呼ばれる赤色の袋にくじを入れた「ポチ袋くじ」の景品には、横浜で人気の豚まんセットが登場。ユーチューブなどの交流サイト(SNS)で互いの催しもPRするという。

 南京町商店街振興組合によると、ポチ袋くじは30年以上前に横浜中華街のくじを参考に始まった。同組合の曹英生理事長は「阪神・淡路大震災では横浜中華街から寄付を受け、関東大震災では神戸の華僑が横浜を支援したという歴史もある」と交流の意義を語り、「今年は3連休で観光客が多く見込める。例年とひと味違った春節祭になるのでは」と期待した。

 会場では能登半島地震の被災地へ送る寄付の募金箱も設置予定。

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