“ハラスメント防止条例”埼玉はわずか2市…さいたま市議43人が研修 「何か起きてからではなく事前に対策を」

ハラスメントについて市議に説明する浜田真里さん(中央)=1日午後、さいたま市役所

 さいたま市議会議員に向けたハラスメント防止研修が1日、同市役所で行われた。年に1回行っている研修で、出席した43人の議員が、ハラスメントの現状や、なくすために必要なことを学んだ。

 講師を務めたのは浜田真里さん(36)で、政治分野のハラスメントを研究する「Stand by Women」の代表。浜田さんは昨年日本初の議員向け相談窓口「女性議員のハラスメント相談センター」を設置するなど、ハラスメント被害者のサポート、ハラスメントの防止に取り組んでいる。

 研修では浜田さんがさまざまなハラスメントについて事例をあげながら説明。議員同士のものや、議員から職員へ、有権者から議員へとさまざまあり、裁判にまで発展したケースもある。全国の議会の多くは被害者が相談できる体制が整っていないと指摘した。

 全国の自治体で、職員や議員のハラスメント防止に関する独自の条例が定められているのはわずか42自治体だという。埼玉県内では川越市、東松山市の2市で定められている。この多くが被害発生が認知された後に作られたもの。浜田さんは「何か起こってからでは遅い。事前に条例を作るなどの対策をしてほしい」と呼びかけた。

 江原大輔議長は研修を受け「地方議員、政治家として自分を律さなければならない。まずは議会がお手本となり、企業や役所にも波及効果が広がってほしい」と話していた。

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