漁獲量が減っている琵琶湖固有種のホンモロコに関する講演会がこのほど、滋賀県長浜市高田町のさざなみタウンであった。琵琶湖博物館特別研究員の藤岡康弘さん(69)=日野町=が性決定や生殖行動などの生態について話した。
NPO法人近江淡水生物研究所(長浜市)の主催で行い、「世界一おいしい!~ワクワクどきどきのホンモロコ」と題して講演した。
藤岡さんはホンモロコの性について、水温が高くなると雄の割合が増えるとする自身の研究成果を紹介。通年では雌雄が生まれる割合はほぼ1対1になっている一方で、ホンモロコは3月から7月にかけて産卵することから「水温が上がる遅い時期に生まれるのは雄が多くなる」と指摘した。
一方、水温が低い時期に多く生まれる雌はふ化時期が早いため個体が大きくなって卵をたくさん産めるメリットがあるとして、「多くの魚類に言えることだが、ホンモロコ全体として子孫を残しやすい仕組みになっている」と述べた。
また、ホンモロコは水面から1~2センチ上の波打ち際に産卵する習性があるが、産卵時期に琵琶湖の水位が低下し、卵が乾燥して死滅するケースがあると指摘。「この時期に一定の水位を保つことがホンモロコの生殖にとって重要」と強調した。