乾式貯蔵施設、関西電力が福井県内の全原発に設置へ最終調整 使用済み核燃料一時保管 近く県に了解願提出

関西電力の高浜原発=2022年11月、福井県高浜町

 関西電力が検討している原発敷地内で使用済み核燃料を一時保管する「乾式貯蔵施設」について、福井県内の高浜、大飯、美浜の全原発に設置する方向で最終調整していることが2月5日、関係者への取材で分かった。関電は近く、原子力安全協定に基づき県や立地町に事前了解願を提出するとみられる。了解が得られれば、まず高浜原発内での設置に向けた原子炉設置変更許可を原子力規制委員会に申請する方針とみられる。

 県は原発内にたまる使用済み核燃料に関し、四半世紀にわたり中間貯蔵施設の県外立地を求めてきた。県内の貯蔵容量が増える可能性のある原発敷地内の乾式貯蔵施設を認めれば、県の原子力政策の大転換となる。

 関係者によると、関電は高浜原発内の乾式貯蔵施設について複数箇所で設置を検討しているとみられる。関電の事前了解願では、同施設の設置場所や保管容量などが示されるもよう。

 ◇乾式貯蔵 使用済み核燃料を貯蔵する方法の一つ。「キャスク」と呼ばれる金属製容器に収納して保管し、空気の自然対流によって冷却する。電気事業連合会のまとめによると、乾式貯蔵施設は日本原電東海第2原発に設置されているほか、九州電力玄海原発、四国電力伊方原発、中部電力浜岡原発で計画されている。原発の貯蔵プールで電気を使って水を循環させて冷却するのは「湿式貯蔵」と呼ばれる。

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