2024年で就航15周年を迎える「フジドリームエアラインズ(通称FDA)」。富士山静岡空港や県営名古屋空港をはじめとして、中部と日本各地をつなぐ地域航空会社です。今回は県営名古屋空港に潜入し、FDAの機体整備に密着します。
カラフルな機体が印象的なFDA 整備を行う格納庫に潜入
愛知県豊山町や小牧市などにまたがる「県営名古屋空港」。FDAのカラフルな機体が目を引きます! カラーは全部で15色で機体ごとに全て色が違います。これは世界でもFDAだけです。
そんなFDAの機体の整備が行われていたのは、すっかり日も落ちた午後7時30分ごろ。滑走路に面した建物の中には、グリーン色の機体がすっぽりと収まっていました。ここが整備の舞台である格納庫です。
長時間をかけて丁寧に行われるエンジンの取り外し
今回注目したのは飛行機のエンジンの取り替えです。飛行機のエンジンは、FDAでは約2年に1回、フライトが1万時間に達するまでに交換する決まりになっています。エンジンの馬力は一般的な自動車のなんと約40倍だそうです。
黄緑色の部分はエンジンカバーで、中に見える物体こそが「エンジン本体」です。
エンジンの重さは約1トン。重すぎて一気に外すことはできないため、つなぎ目を1つ1つ外しながら、8時間ほどかけて慎重に下ろしていきます。つなぎ目の部品をひとつ緩めては動かすの繰り返し。
これが飛行機のエンジン! 動力を得る仕組みも解説
長時間かけて、エンジン外しました。飛行機のエンジンはどんな仕組みで動いているかご存知でしょうか?
まず、手前のブレードと呼ばれる羽から外気を取り入れ、燃料と一緒に燃やします。その際、発生したガスを勢いよく後ろから放出することで推進力を生み出し、機体を前へ進めているのです。
実際に離陸する飛行機のエンジンを見ると分かりやすいです。エンジンの右側は比較的鮮明ですが、左側は高温のガスで景色が陽炎のように揺らめいています。
合計16時間! 新しいエンジンの取り付け
エンジンは8時間かけて新しいものに取り替えられます。再び気が遠くなる作業ですが、安全で確実な飛行のためには、定期的なエンジンの交換が欠かせないのですね。合計16時間の長丁場のエンジン交換です。
ちなみに毎日行う整備ではブレードを入念にチェックするそう。ブレードはむき出しなので、鳥が入ってしまって損傷してしまったら危険です。そのため毎日、緻密なチェックが欠かせないのですね。
今回紹介したのは一部ですが、快適なフライトの裏には航空会社の絶え間ない努力がありました。県営名古屋空港から多数就航しているFDA。ぜひ今回の内容を頭の片隅におきながら利用してみてください。