「大変危機感を持っている」地下水からも指針値80倍超の有機フッ素化合物が検出 飲用控えるよう呼びかけ 1月には河川でも指針値超の調査結果 東広島市 

瀬野川水系で人への有害性が指摘されている「有機フッ素化合物」が暫定指針値を超えて検出されている問題です。東広島市は2月6日に新たに地下水調査の結果国の指針値を82倍上回る地点があったと発表しました。

犬飼さき記者
「地域の住民は井戸水を生活用水として利用しています。きょう新たに瀬野川流域の3箇所の地下水から高い値が検出されました」

広島市によると、1月中旬に調査した地下水58地点のうち22地点の結果が判明しました。

国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物PFOSとPFOAが検出されたのは瀬野川沿いの3地点です。最も高いところでは指針値の82倍となっています。

東広島市・環境先進都市推進課 水戸明課長
「地下水からこれほどの高濃度の数値が出たことには大変危機感を持っている」

東広島市では去年12月、瀬野川の則重橋付近で指針値を超えるフッ素化合物が検出されたことから上流の河川や水路に加えて地下水の水質調査を実施していました。

1月に発表された河川の調査結果では米軍川上弾薬庫から最寄りの瀬野川の源流にあたる場所で指針値の80倍となりました。

PFOSとPFOAは発がん性などが指摘されている物質で東広島市は調査結果を井戸の所有者に伝え、指針値を超えた地域の住民には飲み水としての利用を控えるよう呼びかけるとともに飲料水の配布を行なっているということです。

東広島市・医療保健課 吉岡志保課長
「健康の影響を把握することが難しいという状況なので、国などの出していく情報を市民の方へ提供し、国や県と連携していきたい」

残りの36地点の調査結果は2月の中旬以降に判明する見通しです。

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