トランプ氏の免責認めず 米議会襲撃で連邦高裁

米ニューヨークで、州の裁判所に出廷したトランプ前大統領=1月(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】ワシントンの米連邦高裁は6日、2021年の議会襲撃事件で起訴されたトランプ前大統領(77)に対し、大統領の免責特権は認められないとの判決を出した。刑事裁判を可能にする判断で、11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏には打撃となる。上訴して最高裁まで争う可能性が高い。

 共和党のトランプ氏は、大統領在任中の行動は刑事責任を免れると主張している。バイデン民主党政権が政治的な動機で刑事責任を追及しているとし、選挙戦への影響を避けるために裁判の先送りを狙っている。

 再び大統領になり、自身が指名する司法長官に起訴を取り下げさせようとしているとの見方がある。

 連邦高裁の判事3人はトランプ氏は大統領を退任し、既に「市民」の立場だとし「元大統領が超法規的存在となることを容認しない」と全員一致で判断した。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「大統領は適切な職務遂行のため完全に免責されなければならない」と訴えた。

 トランプ氏は20年の前回大統領選の敗北を覆すことを企て、議会襲撃事件を誘発したとして起訴された。

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