避難ホテルで感謝の手伝い 富山で珠洲の被災者

炊き込みご飯を盛って被災者に配る石田さん(右)=富山市内のホテル

 能登半島地震で大きな被害を受け、富山市に2次避難している珠洲市の被災者は6日、滞在先のホテルテトラリゾート立山国際で、ホテル側が担っていた食事提供の業務を手伝う取り組みを始めた。親身になって避難生活を支えるホテルに感謝を伝えるためで、初日は2人が昼食、夕食時に配膳スタッフを担った。

 6日の昼食は炊き込みご飯とうどん、小鉢、漬物で、家族5人で避難生活を送る石田佐和子さん(43)=大谷町=と、両親と一緒に身を寄せる高林実さん(53)=同=が「はい、どうぞ」「半分でいい?」と声を掛けながら、ご飯を盛り付けて被災者に配った。

 取り組みは石田さんが「時間に余裕があり、何かできることがあればしたい」と発案。1次避難所の大谷小中との調整役を担う大兼政康秀さん(60)=馬緤(まつなぎ)町=が6日にホテル側に申し入れ、快諾された。今後も人を入れ替えて手伝う。

 「ホテルの人は毎日大変そうで感謝しかない」と石田さん。ホテル責任者の松原和徳さんは「急に言われて驚いたが、うれしかった。仕事の希望があれば柔軟に考えたい」と話した。

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