入試や卒業式時「米軍機の飛行自粛を」 沖縄県教育庁 防衛局に要請

 沖縄県教育庁の玉城学教育指導統括監は6日、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、県立高校などの入試や各学校の卒業・入学式が実施される際、米側に米軍機の飛行自粛を求めるよう要請した。要請では昨年10月、米軍嘉手納基地所属の空軍兵4人が那覇市の首里高校内に侵入した事件にも触れ、取り組み強化も求めた。

 要請文は半嶺満教育長名で出した。玉城統括監は昨年度も協力要請したものの、「完全な騒音規制、飛行自粛ではなく、基地や飛行場周辺の一部学校から飛行の報告があった」と指摘。厳粛な環境下で入試や卒業・入学式が実施できるよう要請した。さらに侵入事件については「学校の安心・安全を確保し幼児や児童、生徒の命を守る観点から取り組みをさらに強化してほしい」と述べた。

 防衛局の四井博章連絡調整課長は「米側に対しては十分な配慮を要請している。改めて伝えたい」と述べた。侵入事件に関しては「地元との信頼関係を損なうことはあってはならない。引き続き隊員教育の徹底などを申し入れ、事件事故防止の取り組みを行う」とした。

 卒業式は県立高校が3月1日、特別支援学校は同日から22日の間、公立小中学校は3月9~22日の間に行われる。高校入試や特別支援学校高等部の入試は3月6、7の両日を予定している。(社会部・新垣亮)

(資料写真)嘉手納基地
要請文を読み上げて米軍機の飛行自粛の働きかけを求める玉城学教育指導統括監(右)6日、嘉手納町・沖縄防衛局

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