さいたまでも臨時休校…埼玉県全域で積雪、秩父で27センチ記録 53人が負傷 スリップ事故は400件超発生

校内の雪かき作業に励む学校職員=6日午前9時半ごろ、埼玉県秩父市野坂町の市立南小学校

 南岸低気圧の影響で、埼玉県内は5~6日にかけて、全域で雪が積もった。熊谷地方気象台によると、秩父市で最大27センチ、熊谷市で11センチ、さいたま市で8センチの積雪を記録した。

 県によると、6日、同日午前8時時点で所沢や越谷市など県内24市町で53人が負傷。歩行中の転倒や車のスリップ事故によるもので、いずれも軽傷という。所沢や川越市など12市町で倒木が21件報告されたが、いずれも対応済み。

 県管理道路は小鹿野影森停車場線など9カ所で通行止めとなったが、上尾市内のさいたま鴻巣線と秩父市内の皆野荒川線を除き、同日午前8時までに解除された。

 蕨や羽生市など9市町村では最大1100世帯が停電。住宅被害はなかったが、境界フェンスの破損が1件報告された。ふじみ野市では鉄道の踏切1カ所が遮断し、こども動物自然公園(東松山市)ではクロスカントリーコースが終日閉鎖された。

 県は5日午前11時53分に情報連絡室を設置。午後6時ごろに災害即応室に移行した。

 県教育局によると、県公立学校(さいたま市を除く)について、校庭の木が倒れた学校などはあったが、授業に支障がある被害の報告はない。児童生徒の負傷も確認されていない。

 5日に授業を短縮・打ち切った学校は幼稚園1園、小学校40校、中学校52校、高校51校、特別支援学校7校。県立高校定時制3校を臨時休校にした。6日は幼稚園5園、小学校24校、中学校11校、県立高校全日制1校、特別支援学校11校が臨時休校し、幼稚園9園、小学校322校、中学校174校、義務教育学校2校、県立高校61校、特別支援学校12校が授業開始を遅らせた。

 さいたま市教育委員会によると、小学校1校が6日、雪の影響を受け臨時休校した。小学校3校と中学校3校が授業の開始を遅らせた。

 県警危機管理課によると、県内に大雪注意報が発令された5日午前11時53分から6日午前7時までに、降雪の影響とみられる110番は約800件。半数以上が交通事故によるものだったという。

 主な原因はスリップで物損事故が約400件、人身事故が約30件だった。ほかに倒木などによる道路障害や立ち往生などの通報があった。

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