「どんな状況でも一番いい選択ができるように」6年生が考えた地震の避難訓練 本番を想定した様々な仕掛けも【わたしの防災】

静岡県牧之原市の小学校で1月15日、6年生がシナリオを考えた避難訓練が行われました。「地震では、想定外のことが連続して起こる」能登半島地震で子どもたちの意識も高まっています。

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牧之原市の勝間田小学校です。昼休みのあとの、掃除の時間。子どもたちは教室や廊下など、それぞれの持ち場で掃除をしています。そのとき、地震の発生を知らせるアナウンスが校内に鳴り響きました。

教室の子どもたちは、机の下に。廊下では窓から離れ、身を寄せて揺れが収まるのを待ちます。

「掃除の時間」の抜き打ち訓練。この訓練を企画し、運営するのは、総合学習の時間で防災について学ぶ6年生です。

<6年生 飯田和翔さん>
「地震は想定外のことが起こる連続だと思う。能登半島地震は元旦に起きたんですが、地震っていつ起きるか分からない怖さがあるので、知ってもらいたいと思って避難訓練を計画しました」

勝間田小学校では年に4回、地震の避難訓練を行っています。これまでは「給食のあと」か「休み時間」でしたが、今回、6年生は「掃除の時間」に訓練を設定しました。地震は「いつ起きるか分からない」ということを下級生に知ってもらうためです。

避難経路にも様々な仕掛けをしました。

<下級生>
「なんだこりゃ」

下級生が教室から廊下に出ると、たくさんの物が行く手を阻みます。廊下の棚などが倒れたことを想定しました。「想定外」の状況を作り出そうと、訓練開始と同時に6年生が仕掛けました。

<6年生>
「踏まないで!ガラスだから」

窓ガラスの破片に見立てたのは、大量のペットボトルキャップ。いたるところに割れて飛び散った想定です。

<6年生 戸塚遼成さん>
「みんなに本当の地震が起きたときにこういうことになることを知ってほしい。リアルに近づけるために、物を設置しました」

大きな地震のあとは、様々な危険が生じます。慌てずに、足元やまわりを確認しながら移動するように伝えます。

<6年生>
「歩いて行って。あんまり押さないように!」

6年生のアドバイスを受けて校庭を目指す下級生。普段、使っている出入口も通れなくなっていて、別の場所から外に出ました。訓練開始から10分ほどで、1年生から5年生の合わせて約100人が校庭に避難できました。

<3年生>
「いきなりだったから、びっくりした。地震はいつ起きるか分からないから、地震はすごく怖いことが分かった。地震が起きたときにすぐ自分で判断して頭を隠して、収まったらゆっくり外に出る」
<5年生>
「本当の地震だったら(ガラスなど)本当の物が落ちているから、怖いと感じた。どのような対応をしたらいいかをもっと考えようと思った」

災害時に自分たちで考えて行動することの大切さを知ってほしい。6年生は、今回のような訓練を下級生にも続けてもらいたいと考えています。

<6年生 飯田和翔さん>
「今回の訓練は実際の地震が起きたとき、勝間田小学校のみんなが命を守る行動をできるようにという思いから、6年生が考えました。石川の地震も、元日に起きましたね。実際の地震はいつ起きるか分からないと強く感じました。朝に起きるかもしれません。給食中に起きるかもしれません。どんな状況でも、一番いい選択ができるようにしていきましょう」

今回の避難訓練で6年生は、アナウンスで避難を呼びかけず、先生にも下級生に声をかけないようお願いしました。避難のタイミングや安全なルートを自分たちで考え、行動してもらうことが訓練のポイントでした。

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