原発処理水の賠償交渉が本格化 岩手県内の水産業者ら

 

 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、岩手県内の水産関係団体や事業者による東電側との賠償交渉が本格化している。中国の輸入停止措置に伴い価格が大幅に下落したアワビなどの補償を求めていく。処理水放出の影響がいつまで続くかは見通せず、交渉は長期化も予想される。

 県は6日の原発放射線影響対策本部員会議(本部長・達増知事)で、賠償交渉の現状を説明。放出の影響緩和に全力を挙げる方針を確認した。

 県によると、県内の一部加工業者は輸入停止に伴う損害について順次、東電と賠償に向けた交渉入り。JFグループ等東京電力原発事故水産物損害賠償対策県協議会(事務局・県漁連)は昨年内にアワビを巡って交渉に着手したほか、ナマコに関する準備を進めている。交渉段階で損害額は非公表。

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