大の里関 横綱戦の緊張感など語る 海洋高出身力士10人参加し激励会 田海総監督らと相撲談議 東京糸魚川会新年会

米田徹糸魚川市長から激励を受ける大の里関(左)と上越市大島区出身の丸勝

首都圏在住の糸魚川市出身者でつくる東京糸魚川会(小野健一会長)の新年会が4日、東京都内の東天紅上野店で開かれ、125人がコロナ禍明けの4年ぶりの交流会を楽しんだ。前半では新入幕の大相撲初場所で11勝を挙げ、敢闘賞を受賞した大の里関(23、二所ノ関)ら同市の海洋高出身力士10人が参加し、大激励会になった。

力士たちが登場したのは第1部の新春座談会。会場には力士たちの家族10人も出席。『能生仕込み相撲道』の著者でスポーツライターの小林信也さんと、海洋高相撲部の田海哲也総監督の対談に力士たちが加わり、中高一貫の相撲部談議やプロとしての意気込みなどを語り合った。

約1時間の座談会の中で、大の里関は初場所後半の大関、横綱戦の感想を問われ、「まさか上位と当たるとは全く思っていなかった。審判部が期待してくれた結果」と予想外だった心境を吐露。その上で支度部屋に誰もいなくなる時間帯に1人で待つ緊張ぶりを述懐した。

横綱照ノ富士関戦では前日に練っていた戦術が目の前の横綱の姿で萎縮してしまったこと、立ち合いの瞬間に館内が完全静寂になる体験者ならではの極度の緊張感を紹介。また、横綱戦に西から上がったおかげで、両手で持ち切れないほどの懸賞金の山に目が行き、冷静さを失ってあれこれ妄想したことも話し、笑いを誘っていた。

海洋高OBとしての目標を聞かれると、能登半島地震の被災地で1学年下の同じ石川県津幡町出身者の欧勝海関(22、鳴戸)と「幕内での対戦を見てもらい元気を届けたい」と語り、大きな激励の拍手を受けていた。田海総監督も「出身力士が勢ぞろいすることはほとんどなく思い出の一日。厳しい番付と人気の世界。頑張りながらもふるさと糸魚川や後輩も応援してほしい」とエールを送っていた。

新年会では糸魚川市にUターン在住し、NPO法人糸魚川総合相撲クラブの理事長でもある小野会長から田海総監督に協力金の寄贈。会場では大の里関、白熊関(24、二所ノ関)、欧勝海関3力士のサイン入り手形も提供され、寄付金が津幡町に贈られることが紹介された。

駆け付けた海洋高出身力士たち。右から大の里関、丸勝、大新海、村山、麒麟龍、狩野、黒姫山、王輝。左端が海洋高の田海総監督
遅れて参加した白熊関(中央左)と欧勝海関
提供された3力士のサイン入り手形。協力金は被災地の津幡町に贈られる。長蛇の列ができた

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