ギリシャ財務相「危機を教訓に」 信頼維持を強調、最低賃金上昇も

取材に応じるギリシャのハジダキス財務相=アテネ(共同)

 ギリシャのハジダキス財務相は7日までに、2009年に欧州を揺るがせた同国の財政危機について「教訓とし、財政規律を堅持していく」と述べた。経済は急回復したが「市場からの信頼を保っていく必要がある」と強調した。首都アテネで共同通信の単独取材に答えた。

 ギリシャでは09年10月の政権交代で財政赤字の粉飾が発覚。欧州連合(EU)などの支援で財政破綻は免れたが、厳しい緊縮財政を強いられた。

 「財政危機の経験は無駄にはならない」と話す。EUは昨年12月に財政ルールの緩和で合意したが「基礎的財政収支の黒字を維持する方針は変わらない」と指摘。昨年はGDP比で1.1%の黒字を見込み、今年は2.1%の黒字を目指す。

 近年は国内総生産の実質成長率がEUの平均を上回る。「ビジネス重視の路線の政策が成果を出している」と説明する。昨年にはギリシャ国債の格付けが13年ぶりに「投資適格級」に復帰した。

 一方で、平均賃金はEUの平均を大きく下回ったままだ。市民生活は厳しい状況が続いており、ハジダキス氏は最低賃金の上昇に取り組むと表明した。

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