花粉症デビューは平均11.58歳との調査結果も なぜ低年齢化? ことしのスギ花粉飛散量は例年の1.2倍の予想も

花粉症のシーズンになりました。すでに症状が出て困っている方もいるのではないでしょうか。

ことしのスギ花粉の飛散量は例年の約1.2倍との予想もあります。いまの「杉の木のつぼみ」の様子を見てきました。

(報告:桜沢信司 気象予報士)
「愛知県新城市です。スギ林全体を見てみると緑というより、ちょっと赤茶けています。これはスギの雄花の影響です」

愛知県の本宮山の山肌に植えられたスギには、きょう(7日)無数の雄花が。

この一粒にはスギ花粉が約40万個と言われています。

(報告:桜沢信司 気象予報士)
「スギを観測する時は、枝の先についている雄花の数で、ことし(花粉が)どれくらい飛ぶのか量を予測します。去年(2023年)は、かなりの飛散となりました。ことし(2024年)は同じくらいの粒がついているように見えます」

桜沢気象予報士は2023年にもこの場所で調査しました。まったく同じ枝での比較ではありませんが「花粉大飛散」の年だった2023年と同じくらいの雄花がついていることがわかりました。

また、日本気象協会は2024年のスギ・ヒノキの花粉飛散数は、2023年と同じくらいで、例年に比べると1.2倍ほどの飛散となると予想しています。

(報告:桜沢信司 気象予報士)
「スギの雄花をよく見てみると、まだ色の濃いものが多いのですが、黄色くなっているものもあります。これは開花直前なんです。少し振ってみると、まだ花粉は出てきません。しかし、間もなく開花して花粉が飛散する可能性が高いです」

7日に調査した場所のスギの雄花は、多くがまだ閉じている状態。

ただ黄色くなった雄花は、開く直前です。

2023年に撮影した本宮山のスギの雄花の映像では、開くと少しの風で花粉が舞い落ちるのがわかります。

東海3県では、まだ本格的な飛散は始まっていませんが、かすかには飛んでいて3月前半がピークになると予想されています。

そして、医療現場からはこんな声が…。

乳幼児でも花粉症の症状が…

(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「乳幼児でも花粉症の症状が出ている子がいる」

こう話すのは耳鼻咽喉科の医師、石井正則さん。

ここ数年、花粉症の低年齢化が進んでいると指摘します。

(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「10年、20年前は小学校からと言われていたが、最近は幼稚園から花粉症になる子が普通にいる」

花粉症の低年齢化は深刻です。

(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「5歳~9歳で30.1%の子どもたちが花粉症になっている」

日本耳鼻咽喉科学会の会報によると、2019年の調査では5歳~9歳の子どもで花粉症の症状がある人は30.1%でした。

しかし、1998年の調査では7.2%と、花粉症の低年齢化が進んでいることがわかります。

石井医師は、その原因は花粉の飛散数が時代とともに増えてきたことや、これまで室内での花粉症対策に重きが置かれていなかったこともあると言います。

(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「花粉は非常に軽く、ちょっと動くと吹き上がる。重力と共に徐々に落ちてくる。床にへばりついた花粉を、例えば子どもが走り回ったり、赤ちゃんがハイハイしたり、掃除機は吸い込むが排気口の風で花粉が舞い上がる。外出を控えても家の中に花粉が舞っている。だから子どもたち(の花粉症)が増えている」

また、石井医師は親から子へのアレルギー反応の遺伝の可能性も指摘。

(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「1960年以降から花粉症は見つかっているので。孫までの時代になって累積した遺伝(も原因の一つ)」

ことし1月、東京の酢酸菌を研究する団体が行った、全国15歳から69歳までの1200人の花粉症の症状に悩む人を対象にした調査では、Z世代以下の花粉症デビューの年齢は「平均11.58歳」という結果になりました。

つまり、人生の大半を花粉症とつきあう人が今後、増えていく可能性があるのです。

みなさんの花粉症対策は…

小さな子どもがいる母親に花粉対策を伺いました。

(2歳児の母親)
「風邪なのか花粉症なのか(わからない)。着ているものを家の中に持ち込まないようにして、玄関にラック作ったので部屋に入る前に全部着替えちゃう」

(3歳児の母親)
「くしゃみとか目をかいたりする。花粉症の薬ではなく、鼻を流しやすくする薬は飲んだりする」

まもなく本格化する花粉の飛散。花粉症に悩む人にとっては、ゆううつな季節がやって来ます。

© CBCテレビ