昨年閉鎖、神戸・三宮「日本真珠会館」跡地に13階建て複合ビル パールミュージアム再オープンへ

複合ビルへの建て替えが決まった日本真珠会館=2023年2月、神戸市中央区東町

 日本真珠輸出組合(神戸市中央区)と東京建物(東京)は7日、昨年3月末に閉鎖した「日本真珠会館」(神戸市中央区)について、跡地に事務所や共同住宅などを備えた複合ビルを建設すると発表した。昨年11月から建物の解体工事に着手しており、2026年6月ごろの完成を目指す。同会館に入り、真珠の歴史や魅力を伝えてきた「神戸パールミュージアム」(休館中)は、新しいビルで再オープンする予定という。

 同会館は1952(昭和27)年、真珠の検査や取引をする拠点として、兵庫県などが整備した。県営繕課の建築家光安義光氏が設計し、神戸を象徴するモダニズム建築として評価された。2005年には国の登録有形文化財に指定された。

 会館を所有する同組合は14年、老朽化が進んだため建て替えを決定。その後は計画が具体化せず、改修保存の可能性も含めて再協議していたが、継続使用は難しいとして昨年に閉鎖していた。同組合の事務所は隣のビルに移っている。

 新ビルは地上13階、地下1階建て。同組合が1、2階部分の約700平方メートルに新たな「日本真珠会館」やミュージアム、入札会場などを設ける。他の部分は分譲マンション(53戸)などとなる。総事業費は非公表。

 東京建物は「真珠会館は、真珠産業の拠点として長年地域の皆さまに親しまれてきた。その歴史や文化を継承していけるよう、外観デザインなどで後継となる建物であると感じてもらえる工夫をしていきたい」とした。(赤松沙和)

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