庄川遊覧船にZ世代新風 20代コンビの髙木さん、島﨑さん 地域観光振興へ活躍

庄川遊覧船の運航を支える髙木さん(左)と島﨑さん=砺波市庄川町小牧

  ●安全第一に切磋琢磨

 砺波、南砺市の景勝地「庄川峡」を周遊する遊覧船に、20代の男性2人が活躍している。庄川遊覧船(砺波市)によると、40~60代の従業員が多い中で20代の乗員が複数在籍するのは珍しい。関係者は1990年代後半以降に生まれ、スマートフォンなどに慣れた「Z世代」のコンビが新風を吹き込み、新たな時代の地域観光を支える人材として成長することに期待を寄せている。

 2人は、髙木檀さん(27)=砺波市栃上=と島﨑篤さん(23)=射水市海老江=。髙木さんは2020年7月から、島﨑さんは23年12月からそれぞれ庄川遊覧船に入って活躍している。

 髙木さんは、静岡の大学卒業後に現地の会社で働いていたが、コロナ禍で地元に戻り、職を探していた時に求人募集の「船長」の文字に引かれて応募。3カ月の見習いを経て乗船を続け、現在は船長や機関長として切り盛りする。

 島﨑さんは、新潟の水産高校を卒業後に都内の市場で仲卸をしていたが、高校で学んだ船舶の知識や資格を生かしたいとしてUターンし、昨年末に就職。現在は先輩の指導を受けながら乗組員として勤務を続ける。

 髙木さんは「大切な人命を預かっているので、事故を起こさないことが第一」と自らに言い聞かせ、景色を楽しみに来る観光客に心から堪能してもらうため窓ガラスの掃除など心配りも忘れない。島﨑さんも「安全第一。船の操縦やお客様への気配りも早く一人前になりたい」と言い切る。

 2人とも乗客が喜ぶ姿を見ると、「こちらまでうれしくなる」と声をそろえ、やりがいを感じているという。

 島﨑さんは、分からないことは髙木さんに尋ね、兄貴分として慕い、髙木さんも後輩の存在に刺激を受け、切磋琢磨(せっさたくま)している。

 境不二夫取締役支配人は若きホープについて「大切な人材なので、自己研さんして成長していってほしい」と期待を寄せた。

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