歯型取違え「誤認逮捕」滋賀県が和解方針 損賠訴訟、国相手は協議中

滋賀県庁

 大津市の自宅で2019年、生後2カ月の息子にかみついてけがを負わせたとして滋賀県警に逮捕された後、別人の歯型を証拠にした誤認逮捕だったことが判明した母親(24)が、滋賀県と国に計約300万円の損害賠償を求めた訴訟で、県が90万円を支払い、和解する方針であることが7日、分かった。

 滋賀県が同日、和解と賠償額に関する議案を県議会の議会運営委員会で説明した。14日開会の県議会2月定例会議で可決されれば手続きを進める。母親の代理人によると、母親側も県と和解する方針。大津地裁が昨年10月に和解勧告していた。

 訴状によると、母親は19年10月、滋賀県警大津署での任意の取り調べで否認したが、誤った歯型の鑑定書に基づいて、巡査部長から「自白すれば子どもは返ってくる」などと虚偽の自白を強要されたと主張。検察は、鑑定書の精査を怠って起訴したと訴えている。

 母親の代理人によると、国を相手にした訴訟については協議中という。

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