米伝説的バンドのギタリストが死去、75歳 反体制的な歌詞で社会にメッセージ

米ロックバンド「MC5」のギタリストとして知られるウェイン・クレイマーさんが死去した。75歳だった。自身のインスタグラムには、「ウェイン・S・クレイマー、安らかに。1948年4月30日-2024年2月2日」と記され、死因は明かされていない。

デトロイト出身のウェインは、MC5を結成した10代の時に人気を獲得。バンドは左翼政党との繋がりや反体制的な歌詞で知られており、労働者階級という出自に強いプライドを持った、時代を超えた偉大なロックバンドの1つとして知られた。

1970年代初めにMC5は解散。ウェインさんはその後数年に渡りドラッグ依存や法律上のトラブルに見舞われることとなるも、1979年に出所し、ソロキャリアをスタートさせた。さらに2001年にはMC5の音楽を演奏するスーパーグループを結成。同バンドで50周年記念ツアーの計画を発表していた。

ウェインさんは、MC5の3rdアルバムリリースについて生前話していた。「1968年のスピリット、僕らが全員若者だった時の、自分の世代のスピリットを再燃焼させる時が来たって思っている」「歴史の中で今はとても危険な時だ。もし僕らが集まり、団結、ステップアップしなかったら、全てを失ってしまうだろう」「民主主義がなくなるかもしれない。僕らが反旗を翻す相手は冗談なんかじゃない。遊びの時間じゃないんだ。真面目な話さ」

そして世界に違いを作るとして、「今僕には50年に及ぶ、技術、経験、知恵があり、MC5を通してそのメッセージを届けることができる。それは僕にとって最もパワフルなツールだ」「これを使って僕は違いを作り出さなきゃいけない」「自分自身について真剣に取り組み、お互いに、コミュニティにきっちり責任を持つということさ」と続けていた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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