別府の湯「やっぱり気持ちいい」 被災地・能登町に移動型温泉施設届く【大分県】

別府市が支援を始めた、移動型温泉施設「幻想の湯」に漬かる人たち=7日午前、石川県能登町

 別府市は7日、能登半島地震の影響により多くの地域で断水が続く石川県能登町で、移動型温泉施設「幻想の湯」を用いた入浴支援を始めた。別府市内の源泉からくみ上げ、運び込まれた湯で温まった地元住民らは「気持ちいい」と笑顔を見せた。

 巨大なイカのモニュメント「イカキング」で知られる能登町の観光施設の駐車場。午前11時過ぎ、入り口の幕が開くと、被災した住民らがタオルなどを手に次々と入浴した。同町の50代男性は「約2週間ぶりにお風呂に入った。別府の温泉に行ったことはないが、やっぱり気持ちいい」と満足げに話した。

 この日は別府市内の温泉の湯約10トンを使用したが、8日からは石川県七尾市の和倉温泉の湯を使う。能登町での入浴支援は20日までで、その後は珠洲市で行う予定。

 別府市の牧宏爾観光課長は「入浴支援は、熊本・大分地震の際に受けた支援への恩返しで始めた。(住民らの)笑顔を見られて良かった」と話した。

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