一軒家で「映画ポスター館」 長崎・佐世保市の菅さんが収蔵、開設 企画展も

企画展を紹介する菅さん=佐世保市、佐世保映画ポスター館

 長崎県佐世保市黒髪町の菅正明さん(71)は、中学生の頃から集めてきた映画のポスターやチラシなどを収蔵、展示する「佐世保映画ポスター館」を昨年、自宅近くの一軒家で始めた。現在は企画展「レイモンド・チャンドラーとミッキー・スピレインの世界」を開いている。
 菅さんは同市内の映画愛好家でつくる「佐世保シネマクラブ」のメンバーで元県立高校教諭。中学生の頃、米国のハードボイルド小説を好んで読んでいた菅さんは、映画「お熱いのがお好き」を見てストーリー展開などに魅了される。
 それから洋画にハマり、ポスターなどを映画館やビデオショップでもらったり、オークションで購入したりと集めるように。気付けば「どこに何があるのか分からない」状態になるほどコレクションが増えた。
 2019年に一軒家を購入して自宅に収まりきれなくなったコレクションの大部分を移動。テーマを決めて展示することで楽しみながら整理を進めようと、昨年4月に同館をオープンさせた。企画展は半年に1度テーマを変え開いている。
 今回はハードボイルド系の作品で知られる米国作家、チャンドラー氏とスピレイン氏が脚本、原作を担当した映画のポスターや、作品の一場面をカードにした「ロビーカード」など60点以上を展示。仏や伊、チェコ版の「大いなる眠り」や、日本未公開の「ザ・ガール・ハンターズ」の仏版2種類など、「国によってイメージが異なる」大小の多彩なポスターが並ぶ。3月20日まで開き、入場は無料。
 菅さんは「1980年代頃までは客を呼び込む手段としてポスターは今より重要だった。そんな時代背景や、共産主義などの社会体制、お国柄などが作り方に反映されていて面白いので、気軽に来てほしい」と呼びかけている。
 同館で収蔵しているポスター、チラシ、パンフレットで来館者が欲しいものがあれば作品によっては無料でプレゼントする。来館する場合は、前日午後6時までに電話(070.9128.5952)かメール(ullajacobson27@docomo.ne.jp)で予約する必要がある。

一軒家で始めた佐世保映画ポスター館

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