「保険が使える」に注意…震災後の住宅修理巡る便乗商法、福井県内でも 県警に相談8件

震災に便乗した悪質な住宅修理業者への注意を呼びかけるチラシ

 能登半島地震の影響による住宅修理を巡る消費者トラブルが被災地で起きている。福井県内でも訪問した業者から「震災の影響で家の修理が必要」と言われ、高額な代金を提示されたという相談が福井県警にあった。今後トラブルが増加する恐れがあるとして、日本損害保険協会や県警は注意喚起している。

 県警によると、能登半島地震後に住宅修理を持ちかけられたという相談は2月6日現在で8件あった。実際の被害は出ていないが、警察などへの相談は氷山の一角の可能性もある。

 同協会北陸支部によると、代表的な手口は「保険を使って自己負担なく家の修理ができる。保険金請求をサポートする」といった甘い言葉で勧誘し、実際には高額な手数料を請求したり、保険金が下りなかったりするケース。北陸支部は「保険金請求は加入者自身で簡単にできる。代行すると言われたら詐欺を疑ってほしい」と訴える。

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 知らない間に詐欺に加担させられるケースもある。「被害診断から保険金の請求までサポートする」と持ちかけ、保険金請求のためにわざと屋根を破壊する業者が確認されている。

 自然災害の後に増加するこうした便乗商法では、悪徳業者は甚大な被害を受けた地域よりも、住宅の被害が比較的軽い周辺地域を狙うという。

 北陸支部の2022年度調べでは、悪質な住宅修理業者が確認された事案は福井県で232件、石川県は321件、暴風による住宅被害が多かった富山県は415件だった。北陸支部は「『保険が使える』という言葉には注意を。即決せずに保険会社や代理店に相談して」と呼びかけている。

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